妖精の魔法で俺にモテ期到来!?
マドンナの秘密 14
何かを......彼女に要求できる。
一体何を? 俺は彼女から
何を要求したいんだ?
散々悩んだ挙句、駿は
「別に......何も欲しくねぇよ......」
とだけ、言った。
「どうしてなのだ!? たかしの
不運はこの女のせいで──」
「だからって今さら彼女に
罰を与えて、俺に何の得があんだよ。」
「......けど......」
不満げなファリーを尻目に
駿は妖精警察に目をやる。
「警察さん。これで俺には
与えられるはずだった幸福が
貰えるようになるんだろ?」
『そうだ。代わりに姫路は
これから不幸になる。
と言っても、本来貰えるはずの
量に変わるだけだがな。』
「なら、もうそれでいいだろ。」
駿は納得のいってないファリーを
見る。
「んー......たかしがそう言うのなら......」
『では、我々も退くとしよう。
だが、そこの二人。今後、また
違反行動が確認されたら
妖精界の牢にぶちこむからな。
覚悟しておけ。』
妖精警察がそう言うと、今まで
姫路とターニャを拘束していた
紐がほどける。
と、同時にターニャは
ウェ~ンと泣き出してしまった。
『はぁ......。では、我々は帰還する。
さらばだ!』
駿の周りに待機していた
男の妖精達は次々と魔方陣の中に
飛び込み、やがて結界もなくなった。
「なんだったんだよ......これ......」
駿はどっと疲れがきて
その場に座り込む。
「まあまあ、これで駿は前よりも
幸福を貰えるようになったから
よかったのだ。」
「ならいいけどよ......」
ファリーは女の子の姿になって、
座り込んだ駿の背中を擦る。
そして、ぱっとターニャの方を見て
「ターニャ! もう違反はしては
駄目なのだ!」
と念を押す。
「は、はい! もう二度としません。
す、すみませんでしたぁー!!!」
ターニャは謝りながら屋上の階段を
下っていった。
残された姫路は駿の方を向いて
「お礼なんて言わないから!」
とだけ吐き捨てて、同じように
階段を下っていった。
「助けてあげたのになんて
態度なのだ!」
「まあ、いいだろ。これで一件落着
なんだし。」
「......でも、本当によかったのだ?
何も罰を与えなくて。」
「いいんだよ。それに今日は
俺的にいいことがあったからな。」
「いいこと?」
 
「お前が意外に有能だって
わかったことだよ。」
「!? へへへ、それほどでもあるのだ。
......意外にってどういうことなのだ!」
「そう怒んなよ。帰りにメロンパン
買ってやるから。」
「え? 本当なのだ?」
「ああ。但し、一個な。」
「えー、今日は三個がいいのだ。」
「ふざけんな。」
そんな話をしながら、二人は
そろって屋上の階段を降りていくの
だった。
一体何を? 俺は彼女から
何を要求したいんだ?
散々悩んだ挙句、駿は
「別に......何も欲しくねぇよ......」
とだけ、言った。
「どうしてなのだ!? たかしの
不運はこの女のせいで──」
「だからって今さら彼女に
罰を与えて、俺に何の得があんだよ。」
「......けど......」
不満げなファリーを尻目に
駿は妖精警察に目をやる。
「警察さん。これで俺には
与えられるはずだった幸福が
貰えるようになるんだろ?」
『そうだ。代わりに姫路は
これから不幸になる。
と言っても、本来貰えるはずの
量に変わるだけだがな。』
「なら、もうそれでいいだろ。」
駿は納得のいってないファリーを
見る。
「んー......たかしがそう言うのなら......」
『では、我々も退くとしよう。
だが、そこの二人。今後、また
違反行動が確認されたら
妖精界の牢にぶちこむからな。
覚悟しておけ。』
妖精警察がそう言うと、今まで
姫路とターニャを拘束していた
紐がほどける。
と、同時にターニャは
ウェ~ンと泣き出してしまった。
『はぁ......。では、我々は帰還する。
さらばだ!』
駿の周りに待機していた
男の妖精達は次々と魔方陣の中に
飛び込み、やがて結界もなくなった。
「なんだったんだよ......これ......」
駿はどっと疲れがきて
その場に座り込む。
「まあまあ、これで駿は前よりも
幸福を貰えるようになったから
よかったのだ。」
「ならいいけどよ......」
ファリーは女の子の姿になって、
座り込んだ駿の背中を擦る。
そして、ぱっとターニャの方を見て
「ターニャ! もう違反はしては
駄目なのだ!」
と念を押す。
「は、はい! もう二度としません。
す、すみませんでしたぁー!!!」
ターニャは謝りながら屋上の階段を
下っていった。
残された姫路は駿の方を向いて
「お礼なんて言わないから!」
とだけ吐き捨てて、同じように
階段を下っていった。
「助けてあげたのになんて
態度なのだ!」
「まあ、いいだろ。これで一件落着
なんだし。」
「......でも、本当によかったのだ?
何も罰を与えなくて。」
「いいんだよ。それに今日は
俺的にいいことがあったからな。」
「いいこと?」
 
「お前が意外に有能だって
わかったことだよ。」
「!? へへへ、それほどでもあるのだ。
......意外にってどういうことなのだ!」
「そう怒んなよ。帰りにメロンパン
買ってやるから。」
「え? 本当なのだ?」
「ああ。但し、一個な。」
「えー、今日は三個がいいのだ。」
「ふざけんな。」
そんな話をしながら、二人は
そろって屋上の階段を降りていくの
だった。
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