妖精の魔法で俺にモテ期到来!?

I.G

妖精の魔法 8

「なんで駿君、一人でやってるの?」


「え、あ、これ? 体育の先生に
ちょっと怒られてさ。
その罰として......」


好きな女子を前にして、
必死に駿は冷静さを保とう
する。


「ふーん。手伝うよ。」


すると、姫路はキョドっている
駿の前に歩みより、駿が持っていた
ハードルの逆側を持つ。


「あ、ありがと。」


「いえいえ。」


今にも心臓が爆発しそうな駿に
追い討ちをかけるように、姫路は
にっこりと微笑む。


「そ、そういえば、姫路さんは何で
体育倉庫に来たの?」


「あ! 忘れてた。」


と、大きな声を上げて、倉庫の中の
バレーボールを手に持つ。


「七組の永瀬君に次の授業で使うから、
ボールを一つ持ってきてって頼まれて
たんだ。」


「そ、そうなんだ。」


「えへへ......私ちょっと抜けてる
ところあるの。おかしいでしょ?」


「べ、別に......」


ここで気さくに、全然そんなことないよ?
とか、寧ろ可愛いよ!
とか言えるものなら駿は
こんな性格にはならなかったのだろう。
案の定、特に言葉が見つからず
ただ二人の間に沈黙が流れるだけだった。
しかし、学園のマドンナである
姫路はそんな空気など気にせず


「それじゃ、私行くね! 
片付け頑張って!」


と、笑って体育倉庫をあとにした。













これって.....ファリーの魔法のお陰なのか?


学校から帰宅しながら、駿は
ずっとそのことについて考えていた。


俺なんかが姫路さんに声をかけられる
なんて、魔法がなきゃありえねぇし.......
てことは、やっぱファリーって
本物の妖精!?
けど、今日一度もファリー見てないが......


そう思いながら駿は家に帰りつく。
すると


「ごめんなのだ!!! 寝てたのだ!!!」


と、泣きながらファリーは駿に
謝罪してきた。








【とある家のとある部屋】


「ちょっと! 本当にいるの!?」


「ふえぇん。本当ですぅ......本当に
同種の臭いがしたんですぅ......」


「でも、今日探したけどいなかった
じゃない!!」


「そ、それはぁ......」




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