転校生は日本人形でした。
第5話 懐柔
私はそれが分かったから、だから私はあのクラスを傘下に置いたのに。
掌握を必死に学んで絶対にあの男を思うがままに動かすと心に決めたから、ここまでやってきたのに。
何で……
何で私のやった行為がこんなにも大げさなことと一緒にされないといけないの!?
「いや、やめて!!」
「何をいまさら。」
プツンという音とともに映像が消えると、そこには藁と木でできた人形の体に茜のひびの入った顔が付いた醜く恐ろしい姿が目に入ってきた。
「何を恐れる?」
「いや……」
「すべてお前の記憶だよ。」
「いや!!いやぁあああああああ!!!!!!!!」
私が必死に抵抗すると、今度は髪一本も触れられていないのに重い力で押さえつけられた。
「さて、話がそれてしまったな。では問おう。私は魂以外でも有効的に精気を食らうことができる。それは何か?」
「……は?」
そんなことわかるわけがない。
きっと冷静になれば考えるんだろうけど、今の私にはあまりに膨大すぎてなにも選択肢にすら入れられていなかった。
混乱する私に茜ははぁとため息をついた。
「では一つ目のヒント。……お前が常に持っているものだ。」
持っているもの……?
「……お金?って言ってもあまりないけど。……ヒッ!?」
私が答えを言った瞬間、両足に茜の長い髪が巻き付いた。
そしてずるずると音を立てて私の体は逆さまに丸々宙に浮きあがった。
「一つ目のは外れだな。」
「待ってよ、何これ……。」
「何、簡単なことだ。あとの2回で答えが出なかったらお前の体が八つに裂けるだけ。」
「は!?いや、待って「二~つ。」ヒッ……あ……。」
茜が数を数えると同時に、私の両手首にきつく髪を巻き付けた。
「あの男からはこの方法で手に入らなかった。」
手に入らなかった!?
何それ……。魂は手に入ったんでしょ?なのに手に入らなかったって……一体?
「分からないか?」
「ちょっと待って!!いや、浮かびそうだから。」
私は必死にハッタリを並べて時間を稼いだ。
でもそれも微々たるもので茜に見抜かれないわけもなかった。
「そうだな……、確かに魂ではない。」
「へ?何で私の思ったことわかってッ……イッ……カハッ!?」
私の両手首はビンッという音を立てて引っ張られ、体は水平に保たれた。
体が一つの布のようにぴんと張られて、こんなにも苦しく息のできなくなるなんて。
私は辛うじて浅い息を繰り返した。
「みぃ~っつ。大ヒント……。今お前が流している涙も……お前の大切な……?」
その瞬間また私の頭の中に何かが流れ込んできた。
その言葉は、私の想像を絶するもので、口に出したらどうされるかを簡単に予知させた。
そしてその不可解な情報が入ってくる原因はやっぱりこの髪だとも分かった。
分かったところで、私の首には既に真っ黒い蛇と化した茜の髪が巻き付いている。
「いや……それだけは嫌!!」
答えなければ殺される。
分かっているけど……。
こんなこと言ったからと言って殺されない保証なんて……。
「もちろん殺さないさ……。それに……少しの辱めを受けるだけだ。」
「いやっ……お願い……それだけは嫌なの……。」
「ならば死しか道はないが。」
ぎゅぅううと首が詰まり体はこれでもかと引っ張られた。
あまりの痛さと苦しさでためていた涙が目じりから伝った。
それを茜は待っていたかのように舌なめずりをして見せた。
そして、私のこめかみにまで流れたしずくを中と啜ると薄い舌で目じりまでをざらりと舐めた。
「死が怖いか?それとも辱めが怖いか?」
「ど……どちらも……。嫌なの。お願い……。」
私の目からはせき止めていたものが切れたように涙があふれだした。
すると、茜はまたはぁと息を吐いた。
そして、私の涙をまた一粒啜ると、耳元に口を寄せた。
「ならば上書きだと思え。なに、少し気持ちがよくなるだけだ。それに私にはお前を堕とすブツは元から作られていない。」
「……あ……。」
髪はゆっくりと私を解放し、茜は私の唇に指を這わせた。
抵抗はできない。それでもこれだけは…茜は私はぎゅっと目と口を閉じた。
すると、茜は私の目を手で覆った。
手が離れたのが分かって目を開けると、そこには先ほどまでの恐ろしい姿は消えて、赤い着物に身を包んだ綺麗な姿の茜が私の体にまたがっていた。
「これなら怖くはない……?」
そして声もクラスメイトとして転校してきた時以来聞いたことがなかった澄んだ声に戻っていた。
「茜……なの?」
「そう。女性になら、触られても平気でしょ?」
見入っていて気が付いていなかったけど、私の体に服ごしとはいえ茜の手が撫で下ろしていて、いつの間にか胸に乗せられていた。
掌握を必死に学んで絶対にあの男を思うがままに動かすと心に決めたから、ここまでやってきたのに。
何で……
何で私のやった行為がこんなにも大げさなことと一緒にされないといけないの!?
「いや、やめて!!」
「何をいまさら。」
プツンという音とともに映像が消えると、そこには藁と木でできた人形の体に茜のひびの入った顔が付いた醜く恐ろしい姿が目に入ってきた。
「何を恐れる?」
「いや……」
「すべてお前の記憶だよ。」
「いや!!いやぁあああああああ!!!!!!!!」
私が必死に抵抗すると、今度は髪一本も触れられていないのに重い力で押さえつけられた。
「さて、話がそれてしまったな。では問おう。私は魂以外でも有効的に精気を食らうことができる。それは何か?」
「……は?」
そんなことわかるわけがない。
きっと冷静になれば考えるんだろうけど、今の私にはあまりに膨大すぎてなにも選択肢にすら入れられていなかった。
混乱する私に茜ははぁとため息をついた。
「では一つ目のヒント。……お前が常に持っているものだ。」
持っているもの……?
「……お金?って言ってもあまりないけど。……ヒッ!?」
私が答えを言った瞬間、両足に茜の長い髪が巻き付いた。
そしてずるずると音を立てて私の体は逆さまに丸々宙に浮きあがった。
「一つ目のは外れだな。」
「待ってよ、何これ……。」
「何、簡単なことだ。あとの2回で答えが出なかったらお前の体が八つに裂けるだけ。」
「は!?いや、待って「二~つ。」ヒッ……あ……。」
茜が数を数えると同時に、私の両手首にきつく髪を巻き付けた。
「あの男からはこの方法で手に入らなかった。」
手に入らなかった!?
何それ……。魂は手に入ったんでしょ?なのに手に入らなかったって……一体?
「分からないか?」
「ちょっと待って!!いや、浮かびそうだから。」
私は必死にハッタリを並べて時間を稼いだ。
でもそれも微々たるもので茜に見抜かれないわけもなかった。
「そうだな……、確かに魂ではない。」
「へ?何で私の思ったことわかってッ……イッ……カハッ!?」
私の両手首はビンッという音を立てて引っ張られ、体は水平に保たれた。
体が一つの布のようにぴんと張られて、こんなにも苦しく息のできなくなるなんて。
私は辛うじて浅い息を繰り返した。
「みぃ~っつ。大ヒント……。今お前が流している涙も……お前の大切な……?」
その瞬間また私の頭の中に何かが流れ込んできた。
その言葉は、私の想像を絶するもので、口に出したらどうされるかを簡単に予知させた。
そしてその不可解な情報が入ってくる原因はやっぱりこの髪だとも分かった。
分かったところで、私の首には既に真っ黒い蛇と化した茜の髪が巻き付いている。
「いや……それだけは嫌!!」
答えなければ殺される。
分かっているけど……。
こんなこと言ったからと言って殺されない保証なんて……。
「もちろん殺さないさ……。それに……少しの辱めを受けるだけだ。」
「いやっ……お願い……それだけは嫌なの……。」
「ならば死しか道はないが。」
ぎゅぅううと首が詰まり体はこれでもかと引っ張られた。
あまりの痛さと苦しさでためていた涙が目じりから伝った。
それを茜は待っていたかのように舌なめずりをして見せた。
そして、私のこめかみにまで流れたしずくを中と啜ると薄い舌で目じりまでをざらりと舐めた。
「死が怖いか?それとも辱めが怖いか?」
「ど……どちらも……。嫌なの。お願い……。」
私の目からはせき止めていたものが切れたように涙があふれだした。
すると、茜はまたはぁと息を吐いた。
そして、私の涙をまた一粒啜ると、耳元に口を寄せた。
「ならば上書きだと思え。なに、少し気持ちがよくなるだけだ。それに私にはお前を堕とすブツは元から作られていない。」
「……あ……。」
髪はゆっくりと私を解放し、茜は私の唇に指を這わせた。
抵抗はできない。それでもこれだけは…茜は私はぎゅっと目と口を閉じた。
すると、茜は私の目を手で覆った。
手が離れたのが分かって目を開けると、そこには先ほどまでの恐ろしい姿は消えて、赤い着物に身を包んだ綺麗な姿の茜が私の体にまたがっていた。
「これなら怖くはない……?」
そして声もクラスメイトとして転校してきた時以来聞いたことがなかった澄んだ声に戻っていた。
「茜……なの?」
「そう。女性になら、触られても平気でしょ?」
見入っていて気が付いていなかったけど、私の体に服ごしとはいえ茜の手が撫で下ろしていて、いつの間にか胸に乗せられていた。
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