真っ黒マントのうさぎさん
~みゆきの目線~
あれから莢菜は私たちに笑顔を向けていばらの道に突っ込んでいった。
本当は死に物狂いでも止めたかったんだけど…きっとそれじゃ莢菜がすっきりできないし。
私たちは莢菜の無事を祈りながら、龍道会の向かいの路地裏に身を隠すことにした。
「みゆき…。」
「どうした?」
「なんか、今こんなこと言ったら変かもだけどね?」
サトはもじもじと何かを言うのをためらっていた。
「言ってみ?」
「これ…かくれんぼみたいでワクワクしちゃうんだけど。」
「」
「」
「それな。」
「ブフッ!」
サトのせいで、私までツボにハマりそうなのを堪えて、私は改めて龍道会のある方向に目を向けた。
その時だった。
「おねぇちゃんたち二人して何してんの?」
「「ッ!?」」
慌てて振り向くと、そこには大柄の男たちが2人にやっといやらしい笑顔で近づいてきていた。
「ヒュッ…。」
「…行こ。」
私は、固まるみゆきの手を掴んで大通りに面した…つまり龍道会のある道に足を速めた。
しかし、そこでは行く手を遮るように男たちが3人立っているのが見えた。
「みゆき…。」
サトはやっと声を出したものの、震えあがっていて大声を出して隙を作るようなことも出来なさそう。
「おいおい、逃げてんじゃねぇよ…ただ話しかけただけだぜ?」
「」
「何もしゃべれねぇんじゃねぇの?この女たち。」
まずい…変に下手に出れば何されるかわかんない。
「あんたたちこそ何なの?どこの馬の骨かわからない奴らに何も話すことなんてねぇっつうの!!」
私が言い返すと、男たちはいかつい顔をよりいかつくした。
やばい…オワタ…。
「」
サトをそっと見るとさっきよりガタガタと怯えきってしまっていた。
これじゃ不意を突いて逃げるなんてできない…サトの足遅いし…。
私たちがあきらめかけたその時、もう一人の長めの影が差した。
「たしかに君の言う通りかもしれないね?」
「?」
「!?」
澄んだ声に顔を上げた瞬間、いるはずのない男の存在に驚くことになった。
「先生!?」
「やぁ。サボり魔にお仕置きをしに来たよ?」
なんでこんなところに…この男は養護教諭のはずじゃ!?
「なんでって顔してるね。」
「」
サトは驚きのあまり声も出せない状態になってしまっているようだった。
「そんなの当り前じゃない!!なんで醒井先生がこいつらと一緒にいるの?…まさか…ッ。」
私が言葉をつづけようとした時、右の鎖骨に冷酷な感触がした。
その横で、サトが息を呑んだ音が聞こえた。
サトも同じように刃物が首に当てられている状態ってことだ。
「勘のいいガキはあまり好きにはなれないんだよね…ごめんね。」
「ッ…。」
「あぁ、一人でも抗えばもう一人の首が飛ぶからおすすめはしないよ。」
私とサトは抵抗することもできないまま、後ろ手で縛られて黒いワゴン車に乗りこむことになった。
車内は改造してあるのか広めにできていて、運転席は回転式になっていた。そして前席には拳銃やらなにやら物々しい凶器が整頓して乗せられていた。
「さて…。では本題に入ろうか…。」
本当は死に物狂いでも止めたかったんだけど…きっとそれじゃ莢菜がすっきりできないし。
私たちは莢菜の無事を祈りながら、龍道会の向かいの路地裏に身を隠すことにした。
「みゆき…。」
「どうした?」
「なんか、今こんなこと言ったら変かもだけどね?」
サトはもじもじと何かを言うのをためらっていた。
「言ってみ?」
「これ…かくれんぼみたいでワクワクしちゃうんだけど。」
「」
「」
「それな。」
「ブフッ!」
サトのせいで、私までツボにハマりそうなのを堪えて、私は改めて龍道会のある方向に目を向けた。
その時だった。
「おねぇちゃんたち二人して何してんの?」
「「ッ!?」」
慌てて振り向くと、そこには大柄の男たちが2人にやっといやらしい笑顔で近づいてきていた。
「ヒュッ…。」
「…行こ。」
私は、固まるみゆきの手を掴んで大通りに面した…つまり龍道会のある道に足を速めた。
しかし、そこでは行く手を遮るように男たちが3人立っているのが見えた。
「みゆき…。」
サトはやっと声を出したものの、震えあがっていて大声を出して隙を作るようなことも出来なさそう。
「おいおい、逃げてんじゃねぇよ…ただ話しかけただけだぜ?」
「」
「何もしゃべれねぇんじゃねぇの?この女たち。」
まずい…変に下手に出れば何されるかわかんない。
「あんたたちこそ何なの?どこの馬の骨かわからない奴らに何も話すことなんてねぇっつうの!!」
私が言い返すと、男たちはいかつい顔をよりいかつくした。
やばい…オワタ…。
「」
サトをそっと見るとさっきよりガタガタと怯えきってしまっていた。
これじゃ不意を突いて逃げるなんてできない…サトの足遅いし…。
私たちがあきらめかけたその時、もう一人の長めの影が差した。
「たしかに君の言う通りかもしれないね?」
「?」
「!?」
澄んだ声に顔を上げた瞬間、いるはずのない男の存在に驚くことになった。
「先生!?」
「やぁ。サボり魔にお仕置きをしに来たよ?」
なんでこんなところに…この男は養護教諭のはずじゃ!?
「なんでって顔してるね。」
「」
サトは驚きのあまり声も出せない状態になってしまっているようだった。
「そんなの当り前じゃない!!なんで醒井先生がこいつらと一緒にいるの?…まさか…ッ。」
私が言葉をつづけようとした時、右の鎖骨に冷酷な感触がした。
その横で、サトが息を呑んだ音が聞こえた。
サトも同じように刃物が首に当てられている状態ってことだ。
「勘のいいガキはあまり好きにはなれないんだよね…ごめんね。」
「ッ…。」
「あぁ、一人でも抗えばもう一人の首が飛ぶからおすすめはしないよ。」
私とサトは抵抗することもできないまま、後ろ手で縛られて黒いワゴン車に乗りこむことになった。
車内は改造してあるのか広めにできていて、運転席は回転式になっていた。そして前席には拳銃やらなにやら物々しい凶器が整頓して乗せられていた。
「さて…。では本題に入ろうか…。」
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