真っ黒マントのうさぎさん
第3話
「そして...さやなさん。」
「...はい...?」
「あなたは、そのピアス等のアクセサリーを"今"没収します。」
「...は?え?...今!?」
ちょっと、ふたりは失敗したらとかそういう理由だったじゃない!!
私が呆然としているうちに、龍央の手が私の耳元に伸びた。
私はとっさにその手をばしりと払い落した。
「ちょっと、触らないでよ!なんで私だけ?」
「これじゃ弱いわけだ。」
龍央の声は蚊の泣くような独り言な声で私の耳にうまく届かなかった。
「は?聞こえないけど!」
「あなたのアクセサリーは全て預かります。物質ぶつしちだと思ってください。」
「は?ぶつしち?」
「あんた、ひとのものまで盗るわけ?」
「クラスの出し物を完璧にやり遂げれば盗る訳ではありません。そして僕が預かるだけです。"生徒指導の先生のところに行ったりはしませんから"。」
「うぐっ...。」
「...ちょ、それ脅しじゃないの?」
「脅したところで僕に得はありませんし、うまくいけばアクセサリーは自分の手に戻るじゃないですか。」
...グウの音もでなくて思いっきり龍央を睨みつけた...後悔した。
龍央の眠そうな虚ろな目はジッと私たちを捉えていた。
いつもは目をすぐそらすくせに、今日は私が睨みつけても1ミリも目が動く事は無かった。
...なんか怖い...。
1度会った目は...うまく逸らせなかった。
この目...私はきっと知っている。
少し怖くなった私は、渋々大切なアクセたちを外して机に置いた。
「ちょっと、さや!こいつの言うこと聞くわけ?」
「...仕方ないでしょ?それに...うちらの力の見せどころじゃない?」
「さやぁ…ヴっ...。」
みゆきも私の覚悟が伝わったのか止めていた腕を緩めた。
サトも心配そうに私の顔を覗き込んでいた。
「では、今日から作業開始ですので皆さん方、ご協力お願いします。」
龍央は納得がいったのか、私のアクセたちを箱に丁寧にしまうと、満足気に自らの席に戻った。
ってか今日!?
「カフェいけないじゃん。」
「あ?!!!!」
サトもやっとそれで勘づいたのか、静かに崩れていった。
みゆきはいらいらが収まらないのか、サトが出したお菓子の袋をガサっと開けた。
そしてHRが終わってそのまま放課後に突入した。
私らの学校は、授業中の作業は禁止らしく、放課後に全クラスが残るなんてこともよくある。
って言っても今までなら文化祭準備なんて1度も参加したことなんてなかったけどね!
「だからぁ、それだとあんたらの黒髪と服が合わないでしょ!」
「それに、みんなが同じスタイルじゃないんだから、服の形とか考えてよ!」
...始まってしまった...か。
「...でも...私たちのクラス...そんなにお金もらってないよ?」
「はぁ?学校の出し物でも自分ちの服持ってくるの!!そんなお金でまかなえるわけないでしょ!!!!」
「ヒィ...!!」
...みゆきはあれからひどく気合が入ってしまったらしく、クラスの服飾の子をしごいてる...。
「二人とも...ちょっと落ち着こ?ね?」
「落ち着けるわけあるかぁ!!」
「」
みんなゴメン...これは止まらないわ...。
「で、でも...私たち...まだ2年生だし...そんなに頑張らなくても...。」
「「「」」」
何だかんだで楽しんでいた私たちに一人の女子の言葉が聞こえた。
「なッ...なみちゃん...」
「あ...ご、ごめんなさい...。」
この子なみちゃんって言うんだ。へぇ。
私は特に気にもとめずその言葉に少しだけ賛成もしていた。
「...あ゛?」
でもこのなみちゃんの一言でクラスの雰囲気はピシリと凍りついてしまった。
詳しくいうと...みゆきのこの一言だった...のかな?
「なみってさ、先輩が怖いから一生懸命やらないってこと?」
「...へ?」
あ...これなみちゃんの死亡フラグだ...。
「...はい...?」
「あなたは、そのピアス等のアクセサリーを"今"没収します。」
「...は?え?...今!?」
ちょっと、ふたりは失敗したらとかそういう理由だったじゃない!!
私が呆然としているうちに、龍央の手が私の耳元に伸びた。
私はとっさにその手をばしりと払い落した。
「ちょっと、触らないでよ!なんで私だけ?」
「これじゃ弱いわけだ。」
龍央の声は蚊の泣くような独り言な声で私の耳にうまく届かなかった。
「は?聞こえないけど!」
「あなたのアクセサリーは全て預かります。物質ぶつしちだと思ってください。」
「は?ぶつしち?」
「あんた、ひとのものまで盗るわけ?」
「クラスの出し物を完璧にやり遂げれば盗る訳ではありません。そして僕が預かるだけです。"生徒指導の先生のところに行ったりはしませんから"。」
「うぐっ...。」
「...ちょ、それ脅しじゃないの?」
「脅したところで僕に得はありませんし、うまくいけばアクセサリーは自分の手に戻るじゃないですか。」
...グウの音もでなくて思いっきり龍央を睨みつけた...後悔した。
龍央の眠そうな虚ろな目はジッと私たちを捉えていた。
いつもは目をすぐそらすくせに、今日は私が睨みつけても1ミリも目が動く事は無かった。
...なんか怖い...。
1度会った目は...うまく逸らせなかった。
この目...私はきっと知っている。
少し怖くなった私は、渋々大切なアクセたちを外して机に置いた。
「ちょっと、さや!こいつの言うこと聞くわけ?」
「...仕方ないでしょ?それに...うちらの力の見せどころじゃない?」
「さやぁ…ヴっ...。」
みゆきも私の覚悟が伝わったのか止めていた腕を緩めた。
サトも心配そうに私の顔を覗き込んでいた。
「では、今日から作業開始ですので皆さん方、ご協力お願いします。」
龍央は納得がいったのか、私のアクセたちを箱に丁寧にしまうと、満足気に自らの席に戻った。
ってか今日!?
「カフェいけないじゃん。」
「あ?!!!!」
サトもやっとそれで勘づいたのか、静かに崩れていった。
みゆきはいらいらが収まらないのか、サトが出したお菓子の袋をガサっと開けた。
そしてHRが終わってそのまま放課後に突入した。
私らの学校は、授業中の作業は禁止らしく、放課後に全クラスが残るなんてこともよくある。
って言っても今までなら文化祭準備なんて1度も参加したことなんてなかったけどね!
「だからぁ、それだとあんたらの黒髪と服が合わないでしょ!」
「それに、みんなが同じスタイルじゃないんだから、服の形とか考えてよ!」
...始まってしまった...か。
「...でも...私たちのクラス...そんなにお金もらってないよ?」
「はぁ?学校の出し物でも自分ちの服持ってくるの!!そんなお金でまかなえるわけないでしょ!!!!」
「ヒィ...!!」
...みゆきはあれからひどく気合が入ってしまったらしく、クラスの服飾の子をしごいてる...。
「二人とも...ちょっと落ち着こ?ね?」
「落ち着けるわけあるかぁ!!」
「」
みんなゴメン...これは止まらないわ...。
「で、でも...私たち...まだ2年生だし...そんなに頑張らなくても...。」
「「「」」」
何だかんだで楽しんでいた私たちに一人の女子の言葉が聞こえた。
「なッ...なみちゃん...」
「あ...ご、ごめんなさい...。」
この子なみちゃんって言うんだ。へぇ。
私は特に気にもとめずその言葉に少しだけ賛成もしていた。
「...あ゛?」
でもこのなみちゃんの一言でクラスの雰囲気はピシリと凍りついてしまった。
詳しくいうと...みゆきのこの一言だった...のかな?
「なみってさ、先輩が怖いから一生懸命やらないってこと?」
「...へ?」
あ...これなみちゃんの死亡フラグだ...。
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