真っ黒マントのうさぎさん

石ノ森 槐

第1話

「え?!!」
「まじ、かっこよ!!」
「ほんとそれな。」
次の日、私は昨日の出来事をすぐに二人に話した。

スマホでも話せば話せたんだけど……二人とも忙しそうだったし?
何よりスマホかまえる精神状態じゃなかったし!?

何より…その『うさぎ』と名乗る男の子のことをちゃんと二人に話しておきたいって……そう思ったの。

「でも、その人ってさぁ絶対マジの名前じゃないよね。」
さとの返しに私とみゆきはうんうんと頷く。

そう……いや、絶対に本名とは思えない……。
『うさぎ』なんて苗字でもなさげだし、下の名前だとしても……。

女でも『うさぎ』は……ちょっと……ね。

「とりま、さやが無事でよかったよ!」
「うん! そだよ!」

「あり...がと...ヴ...。」
やば、なんかいろいろ戻ってきたらウルッてきたし……。

私の号泣に2人がぎゅってしてくれた。

……って二人も泣いてるしッ!!笑


「よぉし!!」
ひとしきり3人で大泣きしてたかと思ったら、さとはすくっと立ち上がった。

「「?」」
「今日はね?、良かったdayだからぁ、お菓子いっぱい買ってきたのぉ!!」

そう言うとさとは、カバンを逆さまにした。
ガサガサ……!!

「」
「」
「ん? どしたのふたりとも。」

サトのカバンからは……化粧ポーチと大量のお菓子が掻き出された。

カバンがパンパンな理由って……まさか……これ?

「……ブフォ!!」
「だははははッ!!」

「え?何ー?ねぇ、なになに?」









「ヒィ……ヒィ……。」
「やばい、腹いたやばす!」
「なんかわかんないけど、すごい笑ったよね!」

おい、サトよ……。

「ちょ、サトもういいから。ちょ、タイムね。ブフッ……」

みゆきはツボにハマっちゃったみたいで、まだ肩が揺れてる。

って私も人のこと言えないよね!
こんなに笑ったのまじ久しぶりだわ。

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