不死身の内通者

白鳥葵

入学

今日はいい天気だ。清々しい朝、いつもより早く起きて、朝の体操みたく背を伸ばした。
リビングに行くと既に朝ごはんが用意されていた。
なんとなくいつもより豪華な気がした。

何か特別な日かと言えば入学式があるくらいだ。
着なれない制服を着て鏡で何回か確認する。

「これでいいかな、、」

これからは新しい生活が始まるから
いつも以上に身だしなみを気にした
いや、いつもは気にしていないんだがな。
結城 璃乙(ゆうき りおと)は今日から高校生だ。

バスに乗り込み学校へ向かう。

バスには同じ制服の人が数人いた。
これからバスに乗りながら一緒に登校することとか考えていたら気分が上がってきた。

バスに揺られること40分
私立天城白山高校「しりつあまぎしろやまこうこう」に着く。

卒業すれば好きな職業につけると噂な高校だ。
興味方位で入学できたくらいだから
きっと噂でしかないだろうと合格した時に悟った。

校舎や生徒は普通な感じ
イメージしていたのよりも違うのはよくあることだ。

さっそく教室へと足を運ばせた。





教室につくと半分くらいは既にいた。
仲良く話している人や席で本を読んでる人さまざまだ。

これから新しい高校生活が始まると思うと
やはりワクワクしてくる。

期待に胸を膨らましていたら
あっという間にホームルームの時間になっていた。


「席につけ、、」

凛々しい女性、この人がクラスの担任の先生みたいだ。


「私は柊 美鈴(ひいらぎ みすず)このクラスの担任の教師になった。よろしく」

淡々と話していく先生にクラス皆話を聞いていた。

「まずは入学おめでとう。君達は選ばれし生徒となったわけだ。で、さっそくで悪いが少しゲームをしてもらう。」


クラスのオリエンテーションか何かと考えていた。
クラスのみんなもそう考えていたと思う。


「通報ゲームをしてもらう。」 


「通報?なにそれ、、通報されたら警察にでも連れてかれるの?」

騒めく生徒達の中淡々と話を続けていった。

「まず3グループに別れてもらおう。ちょうど縦に6つ列があるから左からAグループ、中央がBグループ、右がCグループにしよう。今からグループごとに紙を配るから誰にも見せずに見てもらいたい。」


みんな訳のわからないまま言われる通りにした。

「今君達にはとある大事な物を預けた。受け取った人は大事に隠し通してほしい。ただ隠すだけでは面白くない、、、だから【内通者】を各グループに1人入れた。君達はその内通者を通報してほしい。」

みんな呆気にとられていた。

「いやいきなり内通者通報しろって言われても名前もわからないし」

生徒が疑問点を先生に問いただしていたが

「それと【内通者】とは別に他の【役者】も用意してある。みんなで楽しく高校生活を楽しんでもらいたい」

「楽しめないつーの!」

つっこんでいる生徒もいたが
不安そうにしている生徒もいた。
おそらく何かしらの【役者】についたのだろう

そして俺はというと
【密告者】と書いてあった。

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