お兄ちゃんに、私の初恋を捧げます。~なにも知らない純真美少女のお兄ちゃんになって、イチャイチャしちゃう物語~
1章1話 4月9日 帰宅したら、全裸の銀髪美少女が待っていた件について(1)
学校から帰宅して階段を上り自分の部屋へ。
ドアを開けるとそこには、一糸まとわぬ銀髪碧眼の美少女がいた。
「へ?」
「――――」
ただの6帖のありふれた洋室が、なにも変えていないのに、映画の舞台の1つとして選ばれたような感覚。
その銀髪碧眼の美少女が立っているだけで、自分の部屋が、自分の部屋でなくなってしまうように思えた。
「キミは――」
彼女は控えめに言っても美少女だった。
控えめに言わないんだとしたら、可愛らしさと美しさの理想像そのものだった。国民的アイドルグループのセンターさえ嫉妬し、ハリウッド女優さえ羨望するレベルだろう。
年齢は恐らく15か16。
銀の長髪は流水のようにサラサラで、窓から差し込む夕日に照らされ幻想的に瞬いている。
パッチリとした二重の、無垢で蒼い瞳はアクアマリンのように美しく、薄桃色の小さな唇は幼女のように稚い。
そして、珠のような肌は白百合に雪化粧を施したかのように白かった。茜色の光に照らされてもなお、その白さが霞むようなことはない。
胸はその下に影が生まれるほど、大きく健やかに膨らんでいる。フワフワとやわらかそうなのに、垂れることもなく、水滴さえ弾きそうな瑞々しさだった。
その頂点に咲く乙女色の蕾はとても可憐で、本物の桜がレプリカに思えるほどである。
細くくびれた腰は女性らしい滑らかな曲線を描いている。かといって痩せすぎているというわけでもない。ウエストも胸と同様、見ているだけで眠くなるぐらいやわらかそうだった。
形の整ったへそはともすれば性的にも見えて、人生で初めて、女性のへそで赤面したかもしれない。
例のごとく滑らかな丸みを帯びており、端的に言えば安産型のおしり。傷跡はもちろん、ホクロやシミさえ見当たらない。そのように白く膨らんだ柔肌は、人間ではなく女神のモノだと言われても、信じて疑えないだろう。
そして産毛さえ生えていない、白くて、やわらかそうで、俺が生まれて初めて見てしまった――、
「き……」
「き?」
「きゃああああああああああ!」
尻餅を付く俺。
我ながら女々しい悲鳴だった。
普通なら、女性の方が叫びそうなものなのに……。
「――大丈夫ですか?」
透明感しかない、儚くも美しい声が俺に問う。
鈴を転がすような声って、きっと、この子の声のことを言うのだろう。
彼女は純粋な瞳で俺のことを見つめてくる。
……って!
「恥ずかしくないんですか!?」
「いえ、別に」
不思議そうに、可愛らしく小首を傾げる謎の女の子。
「とにかく服を着てください!」
「裸のまま待機していて、と、命令されましたので」
「~~~~ッッ」
「?」
尻餅を付いた俺を、初対面なのに全裸の美少女が中腰になって心配してくる。
さっきは若々しく張っていた胸も、屈めば垂れるのが必然だ。
だからって、俺の目の前で谷間を作るのは明らかにおかしいが。
っていうか、ヤバイ。
語彙力が貧困なのは重々承知しているが、今、生まれて初めて目の前に、女の子の生の胸が……。女の子の乙女色の蕾が……。
たゆんたゆん、という表現を使うのは今しかないだろう。
そう思えるほど大きくて、やわらかそうだった。理性的、紳士的でいようとしても、吸い込まれるように視線がそこにしか向かわない。
「あっ」
「?」
「通報」
「私が、あなたを?」
「俺が、キミを! 人畜無害なアホの子なのかも知れないけど、他人《ひと》の家に勝手に入って、しかも裸で滞在なんて犯罪だから!」
「2つの理由で犯罪ではない」
「まず、1つ目の理由は?」
「状況を分析するに、あなたの名前は仙波悠真と推測します。間違いないでしょうか?」
瞬間、心臓が強く跳ねたような気がした。
俺の名前を知っているなら、誤魔化しても無駄なのだろう。
「あ、あぁ、それであっているけど……」
「私はあなたの姉、仙波悠乃に案内されて、この家に入らせていただきました」
「なら、姉さんは今どこにいる?」
「ここ♪」
瞬間、カメラのシャッター音が廊下に響く。
その音がした方に向ける視線。そこにはライトブラウンの長髪を揺らしながら、右手でスマホを持ちながらニヤニヤしているパンクファッションの女性がいた。
立てばもちろん俺の方が長身だ。けど、相手がおよそ160cm前後でも、今だけはこいつが、ファッションも相まって女の魔王のように見える。スマホをしまうと、豊満な胸を寄せるように、腕を組んで俺のことを見下ろしているし。
「待て、これは違う」
「うん、大丈夫。アタシは普通に理解しているし。いや、マジで」
「そ、そっか……」
「まぁ、この写真を見た人が、なにをどう思うのかまでは知らないけど」
「消せ!」
「悪い悪い。けど、見せるって言ってもイタズラ目的じゃないし。もし真剣に肖像権とか気にするんだったら、あとでキチンと消すからさ」
悪びれた様子も特になく、姉さん、仙波悠乃はケラケラ笑った。
そして自分の部屋のドア付近に積んだ『それ』を一瞥すると――、
「はい、シーカー。この服、とりあえずこれを着ておいて」
「了解しました」
小さく首を縦に振る、シーカーと呼ばれた女の子。
彼女は姉さんの部屋に入ることもなく――、
俺の目の前で姉さんの下着や服を――、
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