♗CHECK♝
第19話 秘剣真影流奥義・・・斬影
(あの鬼の仮面・・・もしかしたら今のボクなら使えるのかもしれない。試してみる価値はありそうだ)
「紅蓮兄さん・・・悪いけど次で決めるよ」
シロは一本の木刀を腰から鞘ごと引き抜いた。そしてゆっくりと紅蓮に歩み寄る。それもまるで瞬間移動しているかのように左右に移動しながらであった。
(なるほど、そういうことか!)
「シロ、悪いけどもう好きにはさせないよ」
紅蓮を中心にあっという間に氷が溶けていく。
(おそらくシロは高速で氷の上を滑って移動していた。だから動く動作を認識させる前に別の位置に移動することが出来たわけだ)
「さすがは紅蓮兄さん、同じ手は通用しないようだね。でもここからは秘剣流じゃないボクのオリジナルだ」
「好きにはさせないって言っただろ!火遁 火炎牢の術!」
「!?」
シロを囲むように炎が現れる。すると一瞬のうちにシロを飲み込んだ。
「その炎の温度は1000℃!触れれば一瞬で灰になる、死にたくなければ降参するんだ」
燃え盛る音の中から微かに声が聞こえる。
「これが炎・・・サウナかと思ったよ。それにしてもぬるいね!」
道を開けるように炎が消える。そこには右目だけをくり抜いた珍しい仮面をかぶる人影があった。
「鬼の仮面・・・なのか?」
その仮面は鬼と呼ぶにはあまりにも想像からかけ離れた容姿をしていた。
(あれも隻眼の影響なのか?それにしても成長が早すぎる!)
鬼人同士の戦いでもう次の攻撃を耐える体力など紅蓮には残っていなかった。だがそれはシロも同じはず。
(次の攻撃に合わせてカウンターを決めるしかない!)
紅蓮が構える。それでもシロはゆっくりとこちらに向かってくる。すると鞘から木刀を抜き出し鞘を投げ捨てた。
その瞬間だった。もう紅蓮の目の前には武器を横から振り抜くシロの姿があった。
(氷は溶かしたのにこのスピード!?これもあの仮面の力か・・・だが安直すぎる攻撃だ。力なら俺の方が上、このまま叩きつぶす!)
紅蓮も武器を振り下ろす。互いの武器がぶつかる・・・はずだった。だが紅蓮の武器は悲しく空を切っていた。
「残像・・・!?」
「秘剣真影流奥義・・・斬影(ざんえい)!」
背後から声がする。だが振り向く力も残っていない。勢いに乗った回転斬りが紅蓮の胴体を吹き飛ばす。紅蓮はピクリとも動かない。どうやら気を失っているみたいだ。
この戦いはシロに軍配が上がった。思えば長い戦いだった。
「ここまで激しい稽古は生まれて初めてだっ・・・たよ・・・」
そのままシロも地面に倒れる。すでにお互い限界を超えていたようだ。
もう不思議な仮面も消えていた。銀鈴は控えめに言って驚いていた。
その剣技の存在は知っていたが直接見るのは初めてだったからだ。あまりの衝撃に声が漏れる。幸い誰もそのことには気づいていなかった。
「もしかしてあれは、まだ未完成のようだったけど・・・秘剣心眼流(ひけんしんがんりゅう)!」
(歴代の鬼灯一族でもその剣技を使えるのはほんの一握りだと言われるもう一つの秘剣流・・・まさか最も我流に近いあの子がそこに行き着くなんてね。やっぱりあの人が思った通りあの子には特別な力があるのかもしれないわね。)
「紅蓮兄さん・・・悪いけど次で決めるよ」
シロは一本の木刀を腰から鞘ごと引き抜いた。そしてゆっくりと紅蓮に歩み寄る。それもまるで瞬間移動しているかのように左右に移動しながらであった。
(なるほど、そういうことか!)
「シロ、悪いけどもう好きにはさせないよ」
紅蓮を中心にあっという間に氷が溶けていく。
(おそらくシロは高速で氷の上を滑って移動していた。だから動く動作を認識させる前に別の位置に移動することが出来たわけだ)
「さすがは紅蓮兄さん、同じ手は通用しないようだね。でもここからは秘剣流じゃないボクのオリジナルだ」
「好きにはさせないって言っただろ!火遁 火炎牢の術!」
「!?」
シロを囲むように炎が現れる。すると一瞬のうちにシロを飲み込んだ。
「その炎の温度は1000℃!触れれば一瞬で灰になる、死にたくなければ降参するんだ」
燃え盛る音の中から微かに声が聞こえる。
「これが炎・・・サウナかと思ったよ。それにしてもぬるいね!」
道を開けるように炎が消える。そこには右目だけをくり抜いた珍しい仮面をかぶる人影があった。
「鬼の仮面・・・なのか?」
その仮面は鬼と呼ぶにはあまりにも想像からかけ離れた容姿をしていた。
(あれも隻眼の影響なのか?それにしても成長が早すぎる!)
鬼人同士の戦いでもう次の攻撃を耐える体力など紅蓮には残っていなかった。だがそれはシロも同じはず。
(次の攻撃に合わせてカウンターを決めるしかない!)
紅蓮が構える。それでもシロはゆっくりとこちらに向かってくる。すると鞘から木刀を抜き出し鞘を投げ捨てた。
その瞬間だった。もう紅蓮の目の前には武器を横から振り抜くシロの姿があった。
(氷は溶かしたのにこのスピード!?これもあの仮面の力か・・・だが安直すぎる攻撃だ。力なら俺の方が上、このまま叩きつぶす!)
紅蓮も武器を振り下ろす。互いの武器がぶつかる・・・はずだった。だが紅蓮の武器は悲しく空を切っていた。
「残像・・・!?」
「秘剣真影流奥義・・・斬影(ざんえい)!」
背後から声がする。だが振り向く力も残っていない。勢いに乗った回転斬りが紅蓮の胴体を吹き飛ばす。紅蓮はピクリとも動かない。どうやら気を失っているみたいだ。
この戦いはシロに軍配が上がった。思えば長い戦いだった。
「ここまで激しい稽古は生まれて初めてだっ・・・たよ・・・」
そのままシロも地面に倒れる。すでにお互い限界を超えていたようだ。
もう不思議な仮面も消えていた。銀鈴は控えめに言って驚いていた。
その剣技の存在は知っていたが直接見るのは初めてだったからだ。あまりの衝撃に声が漏れる。幸い誰もそのことには気づいていなかった。
「もしかしてあれは、まだ未完成のようだったけど・・・秘剣心眼流(ひけんしんがんりゅう)!」
(歴代の鬼灯一族でもその剣技を使えるのはほんの一握りだと言われるもう一つの秘剣流・・・まさか最も我流に近いあの子がそこに行き着くなんてね。やっぱりあの人が思った通りあの子には特別な力があるのかもしれないわね。)
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