♗CHECK♝
第11話 死合
この辺りでは有名な都市伝説がある。その名は「鬼来(きらい)」それは世に言う神隠し・・・まさにそれだった。人の持つ強い恨みが形となりその対象に降りかかると言われている。その媒介となっていたのが鬼灯家だった。そしてその事象を可能としたのが鬼人の力であった。
「ど、どうしたの?紅蓮兄さん!話が全然見えないんだけど」
シロは動揺を隠せなかった。
「すまないシロ、説明する時間は残されてないんだ。クロ!」
柱の影からクロがすっと現れ、手に持っている二本の木刀をシロの目の前に投げた。
「木刀を取るんだシロ、忍に相応しい器かここで見極めさせてもらうよ!」
話し終わると同時に紅蓮はシロの目の前にいた。すでに両手で握った一本の大きな木刀を振り下ろす寸前だった。シロもなんとか反応し二本の木刀でそれを防ぎきる。だが勢いのあまり激しく後方に吹き飛ばされる。
「本気で殺すつもりだったよね・・・今の」
「ああ、これは生きるか死ぬかの戦い、『死合(しあい)』」
「わかりやすくていいや、それでクロともやったの?この死合ってやつを?」
「ああ、でもあの時は今と違ってクロから持ちかけてきた話だったね、どうしても稼業を引き継ぐ必要があるって」
「じゃああそこにいるってことはその資格を手に入れたってわけだね」
「そういうこと、まさか俺から一本取るまでになってるとはね」
「嘘でしょ!?クロが紅蓮兄さんに勝ったの?」
「そういうことになるね。だからシロにも乗り越えてもらうよ」
「紅蓮兄さんに勝つなんて無理だよ」
「この鬼灯一族に稼業を継ぐ素質がないものは必要ないことくらい知っているだろ」
「要するにボクはここで力を証明する以外生きる道はないってことだね」
シロには少しの勝ち筋が見えていた。
「そういえばルールを説明してなかったね。相手の急所に攻撃を当てるか相手を戦闘不能にさせた方の勝利、一応真剣の使用は禁止。まぁ、お互いもうすでに木刀を持ってるから説明の必要はなかったかな?それじゃあ続き、行くよ!」
(素早さではボクの方が少し有利だ、幸い武器は1本だけみたいだしヒットアンドアウェイでいかせてもらおう)
シロはあえて紅蓮の間合いに入り込んだ。当然紅蓮は武器を振る。それをかわして一撃入れる。これを繰り返していけばいつかは大きな隙ができる。そこを叩く・・・はずだった。
攻撃を受けたのはシロだった。確実に紅蓮は武器を振っていた。シロはなんとか受け身をとり状況を確認する。
(今のは・・・一体なにが起こったの?)
紅蓮の両目は鮮やかな真紅色を放っていた。
「不思議そうだね?確実に隙を突いたはずって顔をしているよ。感情は顔に出さないように教えたはずだよ・・・でもせっかくだから教えておくよ、シロと俺の決定的な力の差・・・それがこの鬼人の力だよ」
鬼灯家は代々鬼の力を有している。その発現は様々で成長の過程でその力に気づいたり感情の高ぶりによるものまで。当然誰もが覚醒するわけでもない。
そういった者には最後の試練が待っている・・・
それが「死合」。
成功する確率は50%・・・これは統計学的にいう50%ではなく、誰だって分かる確率。覚醒するか・・・死ぬかだけの分かりやすい数字であった。
「ど、どうしたの?紅蓮兄さん!話が全然見えないんだけど」
シロは動揺を隠せなかった。
「すまないシロ、説明する時間は残されてないんだ。クロ!」
柱の影からクロがすっと現れ、手に持っている二本の木刀をシロの目の前に投げた。
「木刀を取るんだシロ、忍に相応しい器かここで見極めさせてもらうよ!」
話し終わると同時に紅蓮はシロの目の前にいた。すでに両手で握った一本の大きな木刀を振り下ろす寸前だった。シロもなんとか反応し二本の木刀でそれを防ぎきる。だが勢いのあまり激しく後方に吹き飛ばされる。
「本気で殺すつもりだったよね・・・今の」
「ああ、これは生きるか死ぬかの戦い、『死合(しあい)』」
「わかりやすくていいや、それでクロともやったの?この死合ってやつを?」
「ああ、でもあの時は今と違ってクロから持ちかけてきた話だったね、どうしても稼業を引き継ぐ必要があるって」
「じゃああそこにいるってことはその資格を手に入れたってわけだね」
「そういうこと、まさか俺から一本取るまでになってるとはね」
「嘘でしょ!?クロが紅蓮兄さんに勝ったの?」
「そういうことになるね。だからシロにも乗り越えてもらうよ」
「紅蓮兄さんに勝つなんて無理だよ」
「この鬼灯一族に稼業を継ぐ素質がないものは必要ないことくらい知っているだろ」
「要するにボクはここで力を証明する以外生きる道はないってことだね」
シロには少しの勝ち筋が見えていた。
「そういえばルールを説明してなかったね。相手の急所に攻撃を当てるか相手を戦闘不能にさせた方の勝利、一応真剣の使用は禁止。まぁ、お互いもうすでに木刀を持ってるから説明の必要はなかったかな?それじゃあ続き、行くよ!」
(素早さではボクの方が少し有利だ、幸い武器は1本だけみたいだしヒットアンドアウェイでいかせてもらおう)
シロはあえて紅蓮の間合いに入り込んだ。当然紅蓮は武器を振る。それをかわして一撃入れる。これを繰り返していけばいつかは大きな隙ができる。そこを叩く・・・はずだった。
攻撃を受けたのはシロだった。確実に紅蓮は武器を振っていた。シロはなんとか受け身をとり状況を確認する。
(今のは・・・一体なにが起こったの?)
紅蓮の両目は鮮やかな真紅色を放っていた。
「不思議そうだね?確実に隙を突いたはずって顔をしているよ。感情は顔に出さないように教えたはずだよ・・・でもせっかくだから教えておくよ、シロと俺の決定的な力の差・・・それがこの鬼人の力だよ」
鬼灯家は代々鬼の力を有している。その発現は様々で成長の過程でその力に気づいたり感情の高ぶりによるものまで。当然誰もが覚醒するわけでもない。
そういった者には最後の試練が待っている・・・
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成功する確率は50%・・・これは統計学的にいう50%ではなく、誰だって分かる確率。覚醒するか・・・死ぬかだけの分かりやすい数字であった。
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