2人で奏でる異世界デュエット

豚也

バンド結成 5


高校生活2日目。今日から普通の授業が始まるので生徒達は各自自分が使う楽器を持って登校していた。


 「おはようございます! エバ」


 先に教室に来ていたアメリがエバに気付き挨拶を交わした。



「おはよう! アメリ! 来るの早いね」

「なんだか高校生活が始まると思うと楽しくなってしまって、つい早く学校に来てしまいました! もしかしてエバもですか?」

「俺もそう……」


 2人は恥ずかしそうに頭をかいていた。


「おはよう! あなた達朝からお熱いわね」

「おはー。朝から見せつけんなよ」

「そんなんじゃないよな? アメリ」

「ええ!ち、違いますよ?」


 2人にからかわれ、顔を真っ赤にするエバとアメリであった。昨日あの後4人で帰り、すっかり意気投合したエレナであった。


「てか、エレナの荷物すげー量だな」

「そうなのよ! 私毎回このDJブースを持って歩かないといけないのよ? もう慣れたけどね」

「大変だね……そーいえば気になったんだけど、1つ聞いてもいい?」

「何かしら?」


 エバの問いにエレナはDJブースの入った鞄を下ろしながら答える。


「どうしてDJブースを使ってラップしかしないのにサラマンダーに来たの?ラップならクラフトに進学した方が良いんじゃないの?」

「確かにそれは俺も思った」

「普通はそうですよね。私も気になります」


 エバ同様キッドとアメリも同じ事を思っていたようだ。


「まぁー普通に考えればそうよね。私もそうしようと思ってたんだけどね?スタークのギターを観てその考えが変わったの。」

「どう変わったんですか?」

「DJブース使ってたらそれ意外の楽器って私は邪魔だって思っちゃうのよ。私が作る音を邪魔しないでほしいって。でも、スタークのギターを観た時一緒に演奏したいって思っちゃったの。だからその為に少しでもギターの事を学びたいって思ったのと、もしかしたらスターク意外にも一緒に組みたいって思えるギターを弾く人が居るかもしれないって期待を込めてサラマンダーに進学する事にしたのよ!」

「そうだったんですね!だから昨日キッドにあんな事言ったんですね?」

「つい興奮してしまってね。でもキッドのギター弾いてるところは早く見てみたいわ」

「それは俺も見たい!」

「私もです!」

「めんどくせー。言っておくけど期待すんなよ?」



4人でそんな話をしているとあっという間に始業の時間になった。



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