M探偵~もっと強くなきゃ解決できないよっ!

弘恵

エロ動画抗争編12 羞恥救出! 冴渡とM探偵の絆!

 海面で破裂したマジックミラーの破片がキラキラと水面に浮かんでいた。
 MM号の車体はぶくぶくと沈んでいく。
 お風呂でも使える防水使用のバイブは、海面に浮かんだまま振動していた。
 そして、M探偵こと奥葉ジン子はマジックミラー破裂のショックで気を失い、水中を沈み続けていた。

 ザバッ!

 くじら1号の顔が水面に出た。
 続いて冴渡が顔を出して浮かび上がった。
「無事か? くじら君!」
「あれ? ジン子さんは?」
「なに!?」
 キョロキョロとあたりを見回すがM探偵の姿がない。
「M探偵!」
 必死に叫ぶ冴渡。
「もしかしてジン子さん沈んでるんじゃ?」
 考えている時間などない。冴渡は大きく息を吸い込んで海に潜った。

「ぶわぁっ!」

 すぐに冴渡が上がってきた。
「目が痛い!」
「刑事さん、これを!」
 くじら1号が何かを冴渡に投げた。
 キャッチする冴渡。それは、SM用の目隠しだった。
「それなら沁みないはずです!」
「ありがとう! くじら君!」

 とは言ったものの。
 いや、沁みないが見えない。
 しかし考えている時間はない!
 冴渡は目隠しをして海に潜った。

 暗闇の中潜る冴渡。
 感性を研ぎ澄ませろ……。
 必ず助けるんだ……。
 おれとM探偵は繋がっている。
 例え暗闇の中でも……。
 お前を……。
 助け……。

 苦しい……。
 息がもたない……。

 ダメだ。自分を信じろ。
 正しく体を動かせ。
 平泳ぎの基本だ。
 重要なのは足の蹴り方と、水をかくための手の動かし方だ。
 足の蹴り動作は、引つけと蹴りの動作に分かれる。
 水の流れに逆らうような体の動かし方をすれば、それだけで体力を消耗する。
 ロスなく動けばM探偵まで追いつくはずだ。
 
 おれとジン子の絆をなめるな!
 必ず……助け出す!

 冴渡が暗闇の中、何かを感じて手を伸ばした。

『ジン子ぉぉぉ!』

 その瞬間、沈みゆくジン子の右乳首をつまんだ!
 さすが冴渡であった。がっちりジン子の右乳首をつまみ、グリグリとつまんだ状態で回している。指が自然とその動きをしてしまうのだ。少し、自分が思うよりも、痛いんじゃないかと思うぐらい強くした方がいいのだ。ジン子はその方がいいのだ。冴渡はジン子を知っていた。

「がぼぉっ!」
 冴渡は感動と興奮で口を開けてしまい、一気に肺の中の空気を外に出してしまう。
 このまま上がるしかない!
 もう一方の手でジン子の左乳首をつまみ、一気に海面に向かって上がり始めた。

 ざっぱぁぁぁん!

 冴渡とジン子が海面から上がってきた。
 大きく息をする冴渡。
 すぐにくじら1号が泳いできて、冴渡と二人でジン子を抱える。
「救急車だ! こいつを助けてくれ!」
 冴渡は空に向かって叫んだ。
「こいつを助けてくれ! 助けてやってくれ!」
 冴渡は何度も絶叫していた。

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