クリティカル・リアリティー
第二十話 最終日
ゆっくりと部屋で寝ていたが何やら外がとても騒がしくなっていたので目が覚めた。どうにも寝起きは身体が鈍っているからかベッドから出ようとするがまるで縛られていると勘違いするような……だが温かい。
その正体を知ろうと手でとにかく触れてみると、スベスベとしていて柔らかい。何かの生物であることが分かりより一層目を開けづらくなってしまった。がすぐに何かわかってしまった。髪があった。長い髪が。
「な、なにやってんの!?」
思わず驚いてその人からスルリと避けるように抜けると動いたことで目が覚めたらしい。
「……あら、おはよう」
「いやっ、おはようじゃ……」
あっ。確か2時に集まる約束をしていたんだ。時間が気になり置いてある時計を見ると……2時22分!?不味いな寝坊してしまった……。
「ネェねぇ、なんて呼ばれたい? 私のことはお姉ちゃん!っていって甘えていいのよ?」
「何言ってんの雅姫さん……寝ぼけてるの? いやもしかして酔っ払ってる?」
「え? おぼぅえてないのぉ? 健チャンから誘ってきたのに……」
……駄目だなこりゃ。よく分からないがとりあえずこの部屋に寝かしておくか。完全に酔っ払った雅姫さんを尻目に支度を始める。全く、下着姿でここにいるってどういうことだよ、この姿を烈王さんなんかに見られたら恥ずかしいどころか振られちゃうよ……。
支度も終わり急いで部屋を出ていこうとしたが、胸騒ぎがする。このまま雅姫さんを放っておいたら駄目な予感がした。何か格好を隠せるものはないか……?
そうだ。俺の能力があるじゃないか。
いつか見た記憶の中のドレスを空気で再現した後に『色を付ける』。これで透けることはない。まぁ、変な違和感というものは流石にあるが、これ以上モタモタしていられないので彼女の手を引っ張りながら部屋を出た。
人がいなくなった部屋では舌打ちが一つ生まれた。
集合場所の十階までエレベーターで上がっていく。複雑な構造だったが五分以内に着くことができた。
そこには烈王さんが腕を組んで待っていた。
「ごめんなさい烈王さん! 寝坊しました!」
「……雅姫をどうして連れてきたんだ? それに……なんか服装が変だぞ?」
「これは能力で作りました……ちょっと命衣さんに預けてきてもいいですか?」
「……? 俺が命衣に渡しにいくから健人は合流しといてくれ」
それは不味い。この醜態は出来るだけ他の人に晒してほしくないのに。ましてや烈王さんになんてとてもじゃないが今は見せられない。
普段なら命衣さんは十五階の個室でゲームをしているから、そこまで向かうしかない。
烈王さんの制止を聞かずに俺は走り出す。烈王さんも技を使ってから俺を遅くさせようとしているようだが壁を貼りながら必死に向かう。
エレベーターじゃ駄目だ、能力で止められてしまう。そう考え隣にある階段に足を踏み入れる。
 そういうひと悶着があり、何とか命衣さんルームについた。扉をノックし返事を聞いてから開けると心底退屈そうな顔でコントローラーを握っていた。
「命衣さん! 雅姫さんここに置いとくので寝かしてください!」
「いやいや、私は漬物か!」
「え?」
「……はーい、アンタも頑張ってね見回り」
「はい! ありがとうございます!」
「ちょちょちょっと……!!」
俺は扉を閉めて烈王さんに謝りに向かった。許してくれるだろうか。
「……雅姫さんって酔っ払ったら凄いよねホント。まだ烈王さんにはバレてないの? それにあの子が出ていったらすぐに下着姿になって……驚いた。よく分からない能力ね。」
「自室でお酒飲んでたらいきなり健人クンに部屋に来てって連れ出されて付いていったら健チャン寝てたのよ!? その姿見て私は服を脱いでのしかかって起こそうとしたら睡魔に負けて乗っかったまま寝てたみたいなの……」
「どこか抜けてるよね雅姫さん……」
その正体を知ろうと手でとにかく触れてみると、スベスベとしていて柔らかい。何かの生物であることが分かりより一層目を開けづらくなってしまった。がすぐに何かわかってしまった。髪があった。長い髪が。
「な、なにやってんの!?」
思わず驚いてその人からスルリと避けるように抜けると動いたことで目が覚めたらしい。
「……あら、おはよう」
「いやっ、おはようじゃ……」
あっ。確か2時に集まる約束をしていたんだ。時間が気になり置いてある時計を見ると……2時22分!?不味いな寝坊してしまった……。
「ネェねぇ、なんて呼ばれたい? 私のことはお姉ちゃん!っていって甘えていいのよ?」
「何言ってんの雅姫さん……寝ぼけてるの? いやもしかして酔っ払ってる?」
「え? おぼぅえてないのぉ? 健チャンから誘ってきたのに……」
……駄目だなこりゃ。よく分からないがとりあえずこの部屋に寝かしておくか。完全に酔っ払った雅姫さんを尻目に支度を始める。全く、下着姿でここにいるってどういうことだよ、この姿を烈王さんなんかに見られたら恥ずかしいどころか振られちゃうよ……。
支度も終わり急いで部屋を出ていこうとしたが、胸騒ぎがする。このまま雅姫さんを放っておいたら駄目な予感がした。何か格好を隠せるものはないか……?
そうだ。俺の能力があるじゃないか。
いつか見た記憶の中のドレスを空気で再現した後に『色を付ける』。これで透けることはない。まぁ、変な違和感というものは流石にあるが、これ以上モタモタしていられないので彼女の手を引っ張りながら部屋を出た。
人がいなくなった部屋では舌打ちが一つ生まれた。
集合場所の十階までエレベーターで上がっていく。複雑な構造だったが五分以内に着くことができた。
そこには烈王さんが腕を組んで待っていた。
「ごめんなさい烈王さん! 寝坊しました!」
「……雅姫をどうして連れてきたんだ? それに……なんか服装が変だぞ?」
「これは能力で作りました……ちょっと命衣さんに預けてきてもいいですか?」
「……? 俺が命衣に渡しにいくから健人は合流しといてくれ」
それは不味い。この醜態は出来るだけ他の人に晒してほしくないのに。ましてや烈王さんになんてとてもじゃないが今は見せられない。
普段なら命衣さんは十五階の個室でゲームをしているから、そこまで向かうしかない。
烈王さんの制止を聞かずに俺は走り出す。烈王さんも技を使ってから俺を遅くさせようとしているようだが壁を貼りながら必死に向かう。
エレベーターじゃ駄目だ、能力で止められてしまう。そう考え隣にある階段に足を踏み入れる。
 そういうひと悶着があり、何とか命衣さんルームについた。扉をノックし返事を聞いてから開けると心底退屈そうな顔でコントローラーを握っていた。
「命衣さん! 雅姫さんここに置いとくので寝かしてください!」
「いやいや、私は漬物か!」
「え?」
「……はーい、アンタも頑張ってね見回り」
「はい! ありがとうございます!」
「ちょちょちょっと……!!」
俺は扉を閉めて烈王さんに謝りに向かった。許してくれるだろうか。
「……雅姫さんって酔っ払ったら凄いよねホント。まだ烈王さんにはバレてないの? それにあの子が出ていったらすぐに下着姿になって……驚いた。よく分からない能力ね。」
「自室でお酒飲んでたらいきなり健人クンに部屋に来てって連れ出されて付いていったら健チャン寝てたのよ!? その姿見て私は服を脱いでのしかかって起こそうとしたら睡魔に負けて乗っかったまま寝てたみたいなの……」
「どこか抜けてるよね雅姫さん……」
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