神様の旅路

三日月

第11話〜戦闘:2〜

「《時間停止ワールドストップ》」

俺は時間を止めた、そしてエルが話しかけてくる

「やっほ〜明彦君、いきなり時間止めちゃってどうしたの?」

「星光が智也にやられそうだったので」

「ありゃ本当だ、ギリギリの所で止めたね」

実際止めるのが1秒でも遅れたら星光は死んでいただろう

「それでこれからどうするの?」

「とりあえずあいつを倒しますよ、このまま野放しにしておけないので」

「それは良いんだけどかなり目立っちゃうと思うよ、下手したらステータス偽装がバレちゃうかもしれないし」

「ちゃんと対策はしてますよ」

そう言って俺は魔法を発動させる

「《偽装フェイク》」

発動した瞬間俺の体が光に包まれ自身の姿が変わっていく、俺が発動させたのは《偽装》と言う魔法で対象の見た目を自身がイメージしたものにすると言う魔法なのだがこれを使うことで俺がやった事にはならないだろう
そして俺の姿は完全に別人となった

「えっ……」

エルが驚いたような声を出す、何か問題でもあったのだろうか?

「どうしたんですか?」

「ううん、何でもないよ、それより完全に姿が変わったねそれならバレないと思うよ」

「そうですか、それじゃあ行っくるね」

「うん、頑張ってね」

「《空間転移テレポート》」

俺は《空間転移》を使って結界の中に入る、そして智也と星光の間に入り時間停止を解除する

「《時間再開リスタート》」

解除した瞬間智也の攻撃が来るも俺はそれを簡単に止める

「誰だ!」

そう聞かれるが俺は答えない

「誰だろうが俺の邪魔をするなら死ね!」

智也は距離を取り魔法を準備する

「下がっといた方が良いぞ〜」

そう星光に指示するも間に合わなかった

「《黒炎球こくえんきゅう》」

「まずい!君、誰か知らないけど下がるんだ」

星光にそう言われる、守るのは俺なんだけどな

「光よ我らを守る壁となれ《光壁こうへき》」

星光は障壁を張る、だが魔力が足りないのか今にも消えそうな障壁だ、これじゃあ防ぐことはできないだろう

「バカかお前は、守るのは俺だ」

そう言って俺は智也の魔法に向かって《空間転送アスポート》を使った、智也の攻撃は簡単に消える

「急に魔法が消えた?まさか、君がミノタウロスの攻撃から俺たちを救ってくれたのか?」

「さて、それはどうかな〜、とにかくお前は下がってろはっきり言って邪魔だ」

「いや、俺も戦うあいつはクラスメイトだからな」

「お前あいつに勝てるのか?」

「それは……分からない」

「だろ、だからお前は下がってあいつらを守ってろよ」

そう言って俺はカミラとアルバートを指差す

「……分かった、智也の事を頼む」

「任せとけ」

そう言って星光が下がろうとした時

「逃がさねぇよ」

そう言って、智也がものすごいスピードで突っ込んでくる
だが突っ込んでくることは分かっていた

「《時間束縛タイムバインド》」

「何だ、体が……動かない」

「星光、早く行け!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

俺は急いでみんなの元へ向かう、カミラさんやクラスのみんなは結界の隅で固まってカミラさんを守っていた

「みんな!大丈夫か?」

「俺は平気だぜ」
「俺も」
「私もだよ」

「カミラさんは?」

「私も無事です、星光さんこそ大丈夫ですか?」

「俺は平気だ、あの人に助けてもらいました」

そう言って俺は彼を指差す

「無事で良かったです、それでこれからどうしますか?」

「とりあえずあの人が智也を止めてる隙に逃げるぞ」

「でもよ星光、この邪魔な結界のせいで俺たち外に出れねぇぞ」
「そうだよ!どうするの?」

結界の存在をすっかり忘れてた、これ破壊できるのかな?

「アルバートさん、この結界って破壊できるんですか?」

俺は近くにいたアルバートさんにそう聞く、智也に蹴り飛ばされ着ていた鎧は粉々になってしまっているがアルバートさんは元気そうだった

「無理だな、一回破壊しようと攻撃してみたが跳ね返されてしまった」

破壊不能?じゃあいったいどうすれば良いんだ
と俺が悩んでいるとき

「星光、俺が結界破壊してやろうか?」

ふと彼がそんな事を言い出した、智也は何故か動けないようだ

「そんなことできるのか?」

「余裕で出来るぞ」

「いったいどうやってやる気なんだ?」

俺は気になってそう彼に聞く

「まぁ見とけよ」

そう言って彼は一回パンッと手を叩いた、その瞬間パリィンという音を立てて結界が壊れていく

「ほら、破壊してやったから早く逃げろ」

そう彼が言った瞬間皆んな一斉に駆け出した、一体どうやったんだ?って今はそんなこと気にしてる場合じゃないか

「行きましょう、カミラさん、アルバートさん」

「星光、あいつは信用できるのか」

アルバートさんがそう聞いてくる

「出来ます!彼は恐らくミノタウロス戦の時助けてくれた人と同一人物だと思うので」

「私も彼を信じます!」

「まぁ二人がそう言うなら俺も信じてみるか、それじゃあさっさと撤退するぞ」

「「はい!」」

そして俺とカミラさん、アルバートさんは広場を後にする

「後は頼んだぞ」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「はぁ、やっと邪魔者が消えてくれたよ」

俺はため息混じりにそう言う

「おい……何を…したんだ」

智也がそう聞いてくる

「別に、結界を破壊しただけだよ、あぁごめんごめん今解除してあげるね」

そう言って俺は智也にかけた《時間束縛タイムバインド》を解く、その瞬間智也は俺から距離をとった

「お前は何者だ!」

「お前の教える気はないな」

「まぁ邪魔をするなら殺すまでだ!」

そう言って智也は俺に向かって突っ込んでくる、俺は智也の攻撃を剣で受け止める、しかし攻撃に耐えきれず剣は粉々になってしまった

「まだまだ行くぜ!」

そう言って智也は魔法を発動させた

「地獄の業火よ、我が敵を焼き払え!《獄炎砲ヘルファイア》」

その魔法はとても威力が高く、この辺りを焼き払うくらいは出来る威力があるだろう、でも俺には効かない

「《空間転送アスポート》」

智也の放った魔法は跡形もなく消え去った

「まだだ!」

と叫びながら智也は俺に接近してくる、でも俺に攻撃は届かない

「《時間遅延スロウタイム》」

智也の動きを遅くさせて攻撃を回避する

「ほらほら、もっと本気になれよ」

「くそがー!」

そう言って俺に向かって《獄炎砲ヘルファイア》を打ってくる、聞かないと言っているのに

俺は《空間転移テレポート》を使って智也の背後に回った、智也の放った《獄炎砲ヘルファイア》は俺に当たらなかった

「くそっ、何でだよ俺はあのミノタウロスを超える力を手に入れたんだぞ」

「答えは簡単だ、ミノタウロスより俺の方が強い、それだけさ」

「くっそぉぉぉぉ」

智也は悔しそうに叫ぶ

「もう諦めろ、お前じゃ俺には勝てない、何度やっても結果は同じさ」

そして智也は黙り込んでしまった、まぁ諦めてくれたのならそれで良い、後は智也に付いている魔の力を取り払うだけだ。
そう思い俺は智也に触れようとした、その瞬間俺の手は弾かれてしまった
そして智也が話し出す

「くくっ、力が足りないならもっと貰えば良いじゃないか」

そう言った瞬間智也の体から真っ黒いオーラが現れた、智也が《魔の力》を発動させた時と同じような感じだ

「さて、どうしよっかな〜」







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