無属性魔法を極めた俺は異世界最強!?

ないと

17話


手にグッと手応えが帰ってきた。

レッドゴブリンの首を剣の刀身が捕らえたのだ。

身体強化状態の一撃を首に叩き込んだ俺はこの時勝ちを確信した。が、

硬っ!?

レベル15の、しかも身体強化で攻撃力を上乗せした俺の攻撃はレッドゴブリンの肌に傷を付けただけで最後まで振り抜かれる事は無かった。

そして、

「パキンッ」

最強と最硬に挟まれついに耐えられなくなった剣は悲鳴を上げながら折れた。

勝てない、今の俺たちにこいつは倒せない。
有効打を与えられない。

あまりもの絶望に戦意が喪失しかけたその時、

「アァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛」

「うわっ!?」

レッドゴブリンは追い討ちを掛けるかのように真一を圧倒的な力で投げ飛ばし、
俺の方を向くと横腹に目掛けて回し蹴りを放った。

「ガッ!?」

横からの衝撃に一瞬意識を奪われると、次の瞬間には近くに生えていた木に衝突してさらに意識が揺さぶられる。

俺は朦朧とする意識の中、何とか気絶するのを堪えて叫んだ。

「撤退だ!こいつには勝て・・・・・」

しかし俺が撤退宣言をするより速くレッドゴブリンが距離を詰めてきた。

「やばっ!?」

間髪入れずに赤い拳が飛んでくる。

俺はとっさに身を捻ったがゴブリンもそれに対応してきた。

避けきれない!!

致命傷を覚悟したその時、

『アースウォール』!!

玄太が叫んだ。

   □

俺とレッドゴブリンの間に突然土の壁が現れた。

玄太が魔法で土の壁を作ったのだ。

そうか!玄太の魔法適正は土だったから守りに特化しているのか!ナイスだ玄太!!

しかしそれも束の間の内にゴブリンの拳が土の壁を突き破ってくる。

だが、土の壁によって威力が激減している攻撃を受ける事は俺にとって容易だった。

迫りくる拳の距離を見切りながら身体中の魔力の流れを腕に一点集中させ防御の体勢に移る。

よし、準備は整った。後は衝撃に備えるだけ・・・・・・

だがいつまで経っても拳が飛んでくる事は無かった。

あれ?と防御の体勢を崩し前を見ると、

レッドゴブリンの腕が変な方向に曲がっていた。


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