無属性魔法を極めた俺は異世界最強!?

ないと

9話

ステータスが頭上に表示された。

もちろん魔法適性は『無』スキルは『鑑定』だけ。

別に長時間掛けて見るほどの内容では無いのだが老人や周りの人は未だに信じられないと言う表情でステータス画面を何回も見直している。

魔法適性『無』とはそんなに凄い物なのか?
それとも・・・・・

「青原殿、これは本当に言いづらい事なのだが・・・」

「ん?何ですか?」

「魔法適性が『無』というのは魔法が使えないという事なのだ」

「っ!」

そうか、改めて言われるとキツいが、まぁそんな予感はしてたんだ。

「そうですか・・・・」

「その上にスキルが一つだけとなると戦力においては市民と同等なのだ」

市民と同等・・・魔法が使えないだけで無く素の強さでさえこの場にいる誰より劣っているというのか。


「何だ、青原は市民程度のカスなのか?」

すかさず強田が占めたと俺の弱みにつけ込んできた。

「市民なんかがここにいる意味はないよな?早くここから出て行ったらどうだ?青原」

そこに金田が追い討ちをかける。

「魔王軍と交戦中の今、戦力にならない者をここに置く余裕は無い。悪いが少しの資金を用意するのでそれを持ってここから立ち去って欲しい」

最後の決め手は老人、預言者ジンのその一言だった。

「そう・・・ですか」

いつも運命とは残酷だ。俺の様な弱い奴の見方をせず、他人を踏みにじる様なクズに肩入れをする。

でも、あいつらと離れられるならそれはそれで良いのかもしれない

「じゃあ、俺は行くよ」

俺は大人しくこの場から立ち去ろうと足を進めた。もちろん元の世界で他人と関係を持とうとしなかった俺を引き止める奴は居ない。しかし

「青原が行くなら俺たちも行く」

俺に同行しようとするものが四人いた。
オタク組のみんなだ。

その提案に預言者ジンは少し考え込むと

「岡村殿と志村殿は良いが回復魔法が使える川村殿と三つのスキルを持つ木村殿はここに残ってもらう」

「なっ?」

川村は残れと言われた事に反対しようとしたが俺は止めた。

「川村、向こう側は資金もくれた上で二人も勇者を諦めてくれたんだ。お前はこっちで魔王討伐を頑張ってくれ」

俺の言葉に川村は何か言いたげだったが今はこの選択が一番良いと思ってる。川村まで追放される必要は無い。

「じゃ、」

岡村と志村も一緒に今度こそ立ち去ろうとした時、木村が駆け寄ってきて耳打ちをした。

「毎日午後8時ごろテレパシーで定時連絡をする。無事なら頭の中で俺に返事をしてくれ」

「了解」

こうして毎夜連絡を取り合う事を約束して俺達は予言の間から出て行った。

   □

城門までは女騎士が連れて行ってくれた。とても美しく少し閉じた目からは幻想感が漂ってくるお淑やかな人だったが今の俺には何も感じなかった。

「どうか行く先も御無事で」

女騎士はそう言いながらお金の入った袋を渡した。

「ありがとうございます」

俺は袋を受け取り、城外に足を踏み進めた。

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