無属性魔法を極めた俺は異世界最強!?

ないと

3話

「お、おい川村・・・?」

志村は痛みさえ忘れたかの様に驚いている。

それもそうだろう、かの有名な回復魔法を目の前で川村が唱えたのだから。

周りの俺を含めるオタク組達が信じられないと言う様な顔で結末を見守っていると、

突然志村の手に魔法陣が浮かび上がり光を放った。

次の瞬間、光が収まると手には傷一つ残っておらず完全に回復していた。


凄い、本当に魔法だ。

川村はニヤニヤしながら自慢げに言った。


「俺の魔法適性は回復魔法なんだ」


へー、そうなのか・・・魔法適性?


「おい川村、魔法適性なんてどうやって調べたんだ?」

少し疑問になったので聞いてみた。

「そんなの決まっているだろう、「ステータス」だよ」

当然と言った様に川村は返す。

やはりそうか、俺もここに転移された時唱えるか迷ったが結局ステータス画面が表示されなかったらめっちゃ恥ずかしいだろうと思ったので諦めたのだが・・・

「じゃあ、お前ステータス画面が表示されなかったらどうするつもりだったんだ?」

「どうするもこうするも無いさ。一体俺がどれほどの黒歴史を持っているのか知って言っているのか?」

俺の質問に川村は開き直った。

こいつ勇者だ、正真正銘の勇者だ。

俺は川村のメンタルに呆れつつ念願のステータスを見ることにした。

「ステータス」

そう唱えると目の前に半透明の板が現れた。

「おぉ・・・」

思わず感嘆の声が漏れてしまう。

ステータス画面には名前、レベル、称号、スキル、魔法適性などの情報が詳細に記されていた。

試しにスキルの欄を見てみる。

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スキル
『鑑定』
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おぉ、鑑定って異世界物の中でも有名なスキルじゃないか!

試しにオタク組のみんなを鑑定してみる。

ちなみに鑑定のスキルは物を見るだけで自動的に行使される様だ。

まずは川村のステータスを覗き見してみよう。

魔法適性は回復系だな。スキルは『鑑定』か。もしかしてこのスキルって転移した人全員に与えられてるのかな。

次は木村、魔法適性は火か。スキルは『鑑定』『テレパシー』『剣術Lv3』・・・って結構スキル多いな。

あとやはり『鑑定』は全員に与えられているみたいだ。

そして岡村、魔法適性は水か。スキルは『鑑定』と・・・この『猪突猛進』ってなんだ?よく分からないが取り敢えず今は放っておくことにする。

最後に志村、魔法適性は土。スキルはこちらも『鑑定』だけか。

ここで一つ疑問が浮かんでくる。

「川村、鑑定で志村はパワー系のスキルを持っていないことが分かるのに何で木にパンチさせたんだ?」

知っていてやらせるとか相当悪質だぞ。

「あぁ、それは回復魔法がしっかり作動するか試してみたんだよ。」

「じゃあ、さっきの試してみるかって言う言葉は・・・・・」

「そうだ。チート能力が有るかじゃなくて回復魔法が機能するかを試したんだ」

こいつまじで悪質だったわ。

川村の実験体にされた志村が可哀想だ。

と思いつつ自分に白羽の矢が立たなくて良かったと思ったり思わなかったり・・・・・


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