悪役令嬢令嬢に転生?そんなもの知ったこっちゃないね!

Mike

お出掛け2

馬車が着くまでにもう一度ここのことを振り返ってみるか。
1、ここは『空が晴れ渡る頃に』という乙ゲーの中だということ
2、攻略対象は全部で7人いること
3、私は悪役令嬢のマリエ・リアノールであるということ
4、今私は3、4歳だろうということ


こんなもんかな?詳しいことはまた家ですればいいし、それよりも問題は兄のルークだよね。
確かルークは何事にも無を貫くキャラだったはず。
でも今のルークは子どもらしい元気な男の子だ。

兄にあの出来事があったのはいつだった?
それが思い出せれば少しは結末が変わってくると思うのに。


……わからないなぁ。なんで思い出せないんだろう。


「…リー…マリー!」

「はいっ!」

「マリー、着いたよ。もう疲れたの?」

「えっもう!?」

「さっきから呼んでいたのに気付かなかったんだ」

「おにいさまごめんなさい!すこしねむくてうとうとしてました!」

「仕方ないなぁ。ほらおいで。」

そう言って手を差し出してくれる。
めっちゃ優しいじゃん!これがあんな男になっちゃうなんて勿体ない!
これは何としてでも思い出さなきゃ!

「ありがとうございますおにいさま。」

連れて行ってくれたのは丘の上に机と人数分の椅子、ティーセットが置いてあるところだ。
ピクニックなのに?これがこの世界のピクニックなの?え?え?
思ってたのと全然ちがう!
地面にシート敷いてお喋りしながら楽しい時間を過ごすのがピクニックなのでは!?

私はその後さほど楽しくもない時間を過ごしたが、周りが自然でいっぱいで、つい目移りしてしまった。
なかなか綺麗な場所で少しだけ、すこーしだけ、気に入ってしまった。
…いいとこじゃん。


まぁ、思っていたのとは違ったが、いいものも見れたのでいいとしよう。
でも、やっぱ貴族とか庶民な私には無理だわ、うん。

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品