悪役令嬢令嬢に転生?そんなもの知ったこっちゃないね!

Mike

お出掛け

今日は皆でピクニックに行くことになっている。私の記憶が戻ってから初めてのお出掛けだ。とても楽しみだ。
ピクニックだから汚れても大丈夫なように私はワンピースを着ている。やっぱりワンピースって楽でいいなぁ。

普段はドレスを着ている。これがすっっごい派手だった。前のマリエなら良かったのかもしれないが、記憶が戻った私からしてみるとうわぁとしか言いようがなかった。

うん。これは無い。なんかいっぱいついてるし、フリフリすぎる。精神はいい大人の私はこんなの着れない。恥ずすぎる。
ということでドレスを捨てるのも勿体ないからついてた小物は取ってシンプルなドレスにした。ごめん、服(きみ)に罪はないんだ。

正直に言って私はずっとシンプルでラフな格好で過ごしてたし、服に装飾がついてるものなんて絶対に買えなかった。
だからドレスじゃなくて日本にいた時の部屋着が欲しい。ドレスは動きにくいし、ごろごろできない。もっと普通の服が欲しい。


と、まあないものねだりはこの辺にして、取った装飾は侍女さんに好きに使ってと渡した。
中古品を渡したので気分悪いかなと思っていたけど案外嬉しそうだった。
多分あの装飾が高いのだろう。
お礼言ってたし。
そんなことを考えていたら扉がノックされた。


「マリー、行くよ。早く出ておいで」

「はーい。お兄様。今行きます」

「馬車をもう玄関に止めてあるから早く行こう。お父様とお母様も待ってるみたいだから、急ぐよ」

「分かりました」

皆早いなぁ。
行くとこどんなとこなんだろう。
ピクニックとしか聞いてないからどこか分からないんだよねぇ。

「お父様、お母様、マリーを連れてきました」

「それじゃあ出るか。ほら、マリー乗るからおいで」

抱えられ、そのまま馬車に乗った。
足がまだ届かないと思ったんだろう。
座席もふわふわしてて気持ちいい。
さすがお金持ちだなぁ。こんないい馬車持ってるなんて。

「マリー、嬉しいのは分かるけどもう少し落ち着こうか。椅子から落ちたら危ないから」

「はい。分かりました、お兄様」

兄優しいな。今も隣で手繋いでくれてるし、いやぁいい兄を持ったなぁ。
なにはともあれ出発だ〜!


うぅ。馬車を甘く見てた。
なにこれすっごくお尻痛い。
がたがたなる度に体が浮くからよくこれで移動できるな。
車があれば良かったのになぁ。
これよりはずっとましだよ。

化学技術は凄いんだな。こっちでも進歩してくれないだろうか。

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