悪役令嬢令嬢に転生?そんなもの知ったこっちゃないね!

Mike

兄が来た

朝のこんなやり取りがあり、今は部屋でゆっくりというか、ベッドに寝かされている。
まじ退屈。だって何もすることないし、何かしようとすると侍女らしき人に必死に止められる。なんでだよ。部屋の中にはいるんだからいいだろーに。

「ねぇ、ひまだからなにかすることない?」

「だ・め・で・す!」

「どうして?」

「どうしても何もありません!病み上がりだというのに大人しく寝ていてください!また倒れられたら私の心臓が持ちません!」

ちぇっ!ただ寝てるだけってのは案外辛いんだよ。本とか持って来てくれたら大人しく読んでるっていうのにさー。
仕方ない。ここは私が大人になるか。(子供だけどね)なんかないかなー。



しばらくすると扉が勢いよく開かれた。
何が起きたか分からない私。今ちょーっと眠気きてたから寝ようとしてたのに誰だよ、邪魔したの。おかげで目、覚めちゃったじゃんか。


心の中で悪態をつきながら扉の方を見る。
するとそこには─────────


超っっ絶美少年がいた。


え?ええ?何あの子!え、めっちゃ好みなんだけど!これ絶対将来モテモテでしょ?見える。私には見えるぞ、この子が学園できゃーきゃー言われているところが!
誰?まさかの兄、とか?いやいやいやこんな素敵な兄がいるのにゲームではあんな悪女になるなんてそんなことあるはずないよね?

そんなことを考えていたら美少年が私に向かって飛び込んできた。
そう、飛び込んできたのだ。
この体は小さい。だから私は美少年に押し倒されるようにベッドに沈んだ。

「ぐえっ」

おっと。淑女らしからぬ声をだしてしまった。侍女よ、聞かなかったことにしてくれ。

「マリー、マリー起きてよかった!ほんとによかった!心配したんだからな!」

美少年は声までいいなぁ。綺麗な声だ。きっと歌ったらすごいだろうなぁー。

「マリーマリーよかった、よかった…」

……ん?これ声かけるまでこのままなわけ?
苦しんだけどなー。早くどいてくれないかなー。このシチュは嬉しいよ?凄く嬉しいんだけど、私潰れちゃうから。どいてくれー。

「あ、あの。くるしい、です」

はよ離れてくれ、美少年。

「ごめん。マリーが起きたって聞いていてもたってもいられなくて。つい……」

「えと、おにい、さま?」

「?どうしたんだい、マリー」

うん。兄だった。これが兄じゃなかったらなぁ。流石に近親相姦する趣味ないし。
ものすごく残念だ。こんなにタイプなのに……

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