転生したらロボットの中だった(ただし、出る事はできません)

ファーストなサイコロ

運命という世界線を壊せ 744

鬼の棒が核よりもものすごい超新星爆発のような爆発を起こした。大きな爆発の中、物質を分解させて消滅させるようなそんな爆発が連鎖的におきて、巻き込まれた存在はそれこそ塵すらも残さずに世界から消滅する……そんなレベルの爆発である。実際盾で防げるようなものではなかった。でも私……G-01は無事である。なぜか? 

 それは散布したナノデバイスのおかげである。ナノデバイスはレーダーとか妨害したり、色々とこっちに有利な情報をもたらしてくれたり、屈折率を変えたりとか、有用性が高いが、流石に分解爆発とか起こすようなやばい爆発をふせぐような事はできない。

 じゃあなんで私はこんな爆発の中無事だったのかというと、まあその分解をナノデバイスで精密にリアルタイムで分析して対応したからに他ならない。お陰で……

「くらくらする……」

 私は鼻血を出して目からも赤い涙が出てた。限界を超えた頭の使い方をした。流石にリアルタイム……いや、それこそ1秒未満の計算を人がやっていくことなんて不可能に近い。私は厳密には人ではないが、それでもそういう計算的なものって機械の方が得意なものだろう。なら私は関係なく、G-01の方に任せてればいいと思うかもしれない。

 でもそうじゃないのだ。私の拡張された脳とそしてG-01の機械的な計算能力を掛け合わせることで、それこそ何段階か上の計算能力をプラスするっていうね。人の頭は柔軟性に飛んでる。それとは反対的に、機械的な計算能力は公式みたいなものである。もとからある計算式に当てはめて次々と計算をしていくのに向いてる。

 まあアイが居たときなら、まだG-01事態にも柔軟性はあった。けど、アイはもう分離してしまった。だから私の負担が増えてる。でもそれも脳を拡張することで色々と補ってたわけだけど、流石にこれだけの情報は私の頭の知識とかではどうにも出来ない。だから私の頭をG-01の方に使わせたのだ。

 ナノデバイス達によってもたらせれる情報を分析、そしてG-01の装甲のコーティングの変化。アホみたいな分解爆発へと対応させるのには拡張された私の脳が必要だった。けどあんまりいい気分ではない。片手間でやれるような……それこそ普段、運転しながらも頭の片隅で別のことを考える……的なそんな気分で出来ることではなかった。

 もう完全に自分自身が乗っ取られてるような……一つの部品になったかのようなそんな気分だったよ。あんまり使いたいと思わせる能力ではない。まあ能力というか、機能? 私はだいたいG-01に助けられてるから、逆にG-01を助けたと思えば……まあ悪くはないのかもしれない。

 そもそもがG-01が壊されたら、私だってどうなるかなんてわかんないんだけどね。だから究極的には私は私のためにこの頭を差し出したのだ。だから後悔なんてない。そもそもが今助かってるのに何を後悔する必要があるのか……

「鬼は……」

 流石にあの分解爆発は宵にも多少の影響はあったのか……なんかよくわかんないことになってる。宵が割れて、向こうがみえてるというか……でも見えないっていうか? 観測する手段が今の私にはないのかもしれない。それに……鬼だったあの腕の中心には弱い光がある。光なのか闇なのか……けれども確実に小さなエネルギーが観測できる。あまりにもデータが滅茶苦茶になってるからこれがどこまで信頼できるのかも分かんないけどね。

 そんな事を思ってると、なんかどこからともなく鬼がぬおおおと湧いてきた。空間から出てきた……みたいな? 

 流石に色々とG-01にもガタが出てるのに……沢山の鬼を相手になんて出来ないよ。これは逃げるしか……とかおもったが……

「私に興味ない?」

 なんか鬼は一心不乱に分解爆発でおきた穴を閉じる作業に精を出し始めた。

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