転生したらロボットの中だった(ただし、出る事はできません)

ファーストなサイコロ

運命という世界線を壊せ 718

前に出て鬼がその収束させてるエネルギーを放つ前に懐に入り込む。けど……

「くっ……」

 そのエネルギーが周囲に拡散されてるというか……飽和してるのか……その影響がこの体を侵食する。自分の事は自身のエネルギーで覆ってるわけだが、鬼のエネルギーが強大すぎて、侵食してくる。

 そんな鬼のエネルギーの侵食を防ぐだけでこっちはエネルギーを消費することになってしまう。けどそれをやらないと、こっちがその全く違うエネルギーに不具合を起こしてしまう。そもそもが鬼に近づきすぎるだけで、こっちは体が重くなるというデメリットが有る。それに放出系の攻撃も、どうやら鬼の周囲にあるその力の濃度が濃すぎるせいだろう。

 減衰する。聖剣を伸ばして攻撃する……とかも同じ結果だ。だからあの鬼が引き抜いた世界のへそとでも言うようななにか? それを斬るときもかなり苦労した。いやあれはあのへその弾力性とういか柔軟性もあるが……でも圧倒的な力の差があるということは、こういう状態に常にさらされながら戦わないと行けないと言うことだ。

 なにか対策をしたほうがいい。そうじゃないと、格上とはまともに戦えないいうことになる。世界のルール……自然の摂理の中だけで戦ってるときは、こんなことはなかった。いくら強くて、空間にその力を溢れ出してたとしても、それはプレッシャーとかだけだった。まあそれで、こちらの力の制御がうまくいかない……とかはあったが、それはこっちのメンタルが向こうに影響されてたからだ。

 心を強く持つことができたら関係なんてなかった。けどこいつらの……それこそ世界の摂理とかから離れた存在との戦いはそんな心の問題ではない。本当にその溢れ出るエネルギーだけで、生物を死に……そして摂理を瓦解させる事ができる。

 きっとそれが……外側の存在なんだろう。

「うおおおおおおおおおおおおお!!」

 自分はなんとか鬼の顎に聖剣を叩き込んだ。光の剣と化した聖剣は全力の一振りだった。けど切れない。でもその勢いに顔を反らせることはできた。下から顎を撃ち抜いた事によって、放たれたエネルギーは空へと消えていく……けど……更にとんでもないことが起きた。

 黄金の鬼のエネルギー波が空に向かって放たれると、それがナニカにあたって……なんと空が割れた。そしてパキパキという音とともに、空がどんどん破片となって落ちていく。そして、その奥には見知った場所が見える。それは宵だ。宵の空間……それが空の向こうにある。

 いや、言われてみればそれはそうだろう。だって世界は宵の中でふたたび再構成されている。ということは、宵の中に世界はある。そして宵が見えたということは……何体かの鬼の瞳がこっちを……いや地上を見てた。

 でも空の全てが壊れたかというとそうじゃない。今この空には明と宵が混在してる。そんなものすごくおかしなことになってた。

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