転生したらロボットの中だった(ただし、出る事はできません)

ファーストなサイコロ

運命という世界線を壊せ 681

「なんだあれ……」

 フンコロガシ型の砂獣はどうやらここの人達は初見なのか、ちょっとうろたえてる。フンコロガシ型はその通りに何かを転がしてる。それは糞のようで糞ではない。だって砂獣は糞とかしない。コイツラは生命体じゃないからね。

じゃあ何を転がしてるのかってことになるが……

「はは、あいつは俺の獲物だ!!」

 そんな事をいって調子に乗ってた奴が駆け出していく。そのスピードはなかなかのものだ。あいつが気づいてるのか……それはわかんないけど、きっとあの武器が身体能力を上げてるのは確実だ。元々身体が強力なここの世界の人達だ。ある程度慣れてくると力を受け入れる量も大きくなるみたいだ。

 多分共に体と武器の力がなじんでいくとか、そんなところだろう。そうなるとますます調子に乗りそうなやつだけど……でもそういうときこそ危ないからね。普通は初見の相手とかなら様子見をするのが普通だと思う。どの世界でもそうだろう。けど奴は突っ込んだ。

「やめろ!! そいつは!!」

 どうやらあのフンコロガシ型の砂獣を知ってるやつが居たのか、あの野郎に注意をうながす。けど調子に乗ったやつがそんな言葉を聞くわけがない。奴は自身の力にうぬぼれて突っ込んでいく。フンコロガシ型の砂獣はその転がしてた奴を勢いよく転がしてきた。けど――

「へっ、こんなもん当たるかぁ!!」

 そんなことをいって奴はその転がってきたのを横に簡単に避ける。そしてそのまま突っ込んで切ろうとした。けどそれが後方に転がって行ったと思ったとき、それ自体が赤く輝き爆発した。その衝撃を調子に乗ってた奴は背中にもろに食らって飛んでいく。

「ぐあああああああああああああ!!」

 ドサッゴロゴロと転がって痛みで動けない奴は運悪くなのかフンコロガシ型の砂獣の前に転がった。フンコロガシ型の砂獣は前を向いて、その口から「キューキュー」というなんとも可愛らしい声を上げながら、その口をカチカチならしてた。

「あっ……くっ……武器を」

 さっきの衝撃の際、奴は命綱とも言うべき武器を手放してしまってた。必死に武器に手を伸ばすお調子者。けど、フンコロガシ型の砂獣の口のほうが早そうだ。

「俺は……お前らを……お前らを絶対に……ゆるさ……」

 そんな事をつぶやきなからも最後まで武器に手を伸ばすお調子者だったやつ。私的には一人くらいしょうがない……とか思ってたけど、そこに助けが入った。

「うあああああああああああああああああああああ!!」

 体全部をつかったせいで剣を振った後に転がっていく彼女。そう女の子で初めて私が持ってきた武器を手にとって戦場に立ってくれたあの子があのお調子者を救ったんだ。ラブストーリー始まっちゃう?

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