転生したらロボットの中だった(ただし、出る事はできません)

ファーストなサイコロ

運命という世界線を壊せ 644

勇者は簀巻きにしたヌメリアさんのその簀巻きにしてる部分に触れて目を閉じる。私もドローンを解析状態にして、ちょっと学ぼうかなって感じで見てるよ。なにせ私よりも魔法の扱いはそれこそ勇者や魔王の方が色々と上だからね。

 魔法を使えないってわけでも私はないが……別に使う必要性がないからさ……G-01がスペック良すぎてね。強化なんてする必要とか無いからね。勿論G-01に匹敵するようなやつに出くわしたら……私自身が使えるようなバフ系の魔法でなにか変わったりするかもしれないんだけどね。でもそういう存在ってそうそういないからね。

 使う場面がない。シミュレーション出来ないのが痛いところだ。強すぎるって孤独なんだよね。まあでもなんか私の中には魔法という単語に憧れがある。なんでかはよくわからない。ただ前世と言っていいのかよくわからない記憶が、魔法って単語に夢を見てるんだよね。

 だから魔法を使いこなしたいって気持ちは往々にしてあるのだ。

(まあでも……魔法もかなりシステム化してるんだけどね……)

 G-01をいくつかアップグレードするにあたって、色々なタイプに行けるんだよね。それこそ魔法に特化してる機体にするってことだって出来ると思う。まあしてないけどさ。この世界ではまずはG-01の基礎スペックを底上げして候補先をね……それこそ進化の先を拡充するのに勤めたからね。

 そっちのほうが後々いい? みたいな? やっぱりベースとなる基礎って大切だよねってことだ。でもそれでも一応基礎的な魔法ならそれこそG-01の機能で実装してあるからね。学ぶ必要すらないみたいな? 

 選択したら術式を組んで、勝手に発動――とかしてくれる。魔法もテクノロジーにかかれば自動化出来てしまうんたよ。そして極まったテクノロジーってもはや魔法と見分けつかない……とか言うじゃん。

 そうなると……魔法に特化させる意味もないのかなって薄々思ってるわけだ。G-01をね。それこそ魔法は私自体が伸ばしていって、G-01は良い武器、良い装甲、良いパーツに振っていった方が良いのではないかってね。

 だから魔法を担当するためにも勇者の魔法で勉強である。実際の所、勇者の元いた世界の魔法とこの世界の魔法は違う。けど勇者はノアというこの世界の特殊な……あれも砂獣なのかどうかを取り込むことで、その理解を深めてるし、ノアを通してこの世界のエネルギーを変換できる様になってる。

 だからある程度ならわかるんだろう。それに私も脳内で会話をして、G-01が解析してる結果をちょこちょこはさみながら勇者に頑張ってもらう。とりあえずはヌメリアさんは、この誰もが襲ってくる……という状況を防がないと、四六時中監視しないといけないことになる。

 まあドローンを一体つけとくくらいで良いような気がするが……そんなことを思ってると勇者がポツリとこういった。

「これは……酷い」

 多分ソレはヌメリアさんに施された術式を言ってるんだろう。まあ確かに……そんなに魔法に明るくない私が見てもそれはおもう。なんかね……ヌメリアさんの体内にある術式はまるで無理やり組み込んだのかと言うほどにごちゃごちゃとしてる。

 G-01の簡易的に発動できる魔法の術式が簡素化されてるだけに、そう思ってしまうよ。

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