転生したらロボットの中だった(ただし、出る事はできません)

ファーストなサイコロ

運命という世界線を壊せ 613

市外の方へとやってきた。ここは閑散……というか人っ子一人いない。まあ当たり前だね。なにせ皆さん、教会の建物の方へと集まってるからね。このサーザインシャインインラにはいくつかの教会があるみたいだけど、空から見たらその周辺だけめっちゃ人口密度が高くなってる。

 一番でかい教会は宮殿に併設されてるわけだけど……どうやらそこはおえらいさん方しか避難できないようになってるみたいだ。一番でかい所が一番余裕があるってどうなの? そう思うわけだけど、きっとここの偉い奴らはそんなことは思ってないだろう。庶民のことなんて考えてないからね。

「外には多くの砂獣が居る。しかも増えてるらしい。君の知り合いはどうやってサーザインシャインインラへと来る気だ? 空でも飛ぶのか?」

 どこに向かってるのか知らないが、歩きながらおじさんはそんなことを聞いてきた。今更な気がするが、自分の行動が無駄にならないか、息子が助かるか……それが気になってるんだろう。そもそもがこのサーザインシャインインラに入れない……となると……ね。魔法が効くかどうか以前の問題になる。でもそこは私は心配してない。

『大丈夫ですよ。彼なら、砂獣が幾らいても超えてくるのは簡単です。そこは心配しなくも大丈夫。それこそ飛んできますよ』

「本当に君たちは常識が通用しないらしい」

 なんか呆れられた。馴れてるけどね。問題は魔法でどこまで回復できるか……でもある。なにせイシュリ君の脳は半分……かそれ以上になくなってる。勇者の魔法なら怪我とかならかなりの重症だって直せるのは確認してるが……これって怪我になるんだろうか? 勇者は勇者らしくその治癒性能はなかなかにチートらしい。まあその世界ではって感じだったし、私や魔王には使ったことなんてなかったからよくわかんないだけどね。

 G-01にはそもそもか自己修復機能があるからね。魔王はどうやら勇者と対の力だから勇者の回復魔法とか受け付けないらしかった。でもあいつも自己回復力が強かったからね。まあけどこの世界にきて、賞金稼ぎたちとよくでかけてたから、彼らにはよく回復魔法を使ってたみたいではある。

 勇者の魔法は欠損した部位を生やすとかも確かできてたはずだ。それに病気だって直してた。呪いとかではなければ行けるとかなんとか……怪我は直せるけど病気は別……とかよく聞いたりするが、いやイメージだけどね。どうやら勇者の魔法的にはそういうのはなかった。

 だから大丈夫……な気はする。どうやって脳を回復するのか……まあきっと部分的な時間遡行的な? ある状態に戻してるとかじゃない? 生命力を活性化させてる……とかだと色々と説明できない部分もあるからね。

 まあとりあえずは勇者と合流するのが大事だ。私たちはとりあえずおじさんの家に行くことにした。

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