運命という世界線を壊せ　591

「よし行くぞ！」

「「「おおーーー！！」」」

　アズバインバカラの街から出たところに屈強な……というかむさ苦しい男達が集まってる。彼は勿論賞金稼ぎの連中だ。軍の奴らもいるけどね。最近はここからちょっといったところにある施設の周りにある大量の砂獣の塊を運搬する作業をしてた。

　私が作った施設は砂獣を元に色々な物を生産してる。なにせ砂獣とはエネルギーの塊なのだ。なにも食べなくてもどこからでも湧いて、人を襲い出すそんな奴等を、人が有効に活用したって良いじゃないっていうね。そんな精神で作り出した施設だ。そして丁度良く沢山攻めてきたから、そして都合良く、上手く石化された。意図した物では無かったが、石化はとてもいい。なにせエネルギーがそのままとれるのだ。

　そもそもが想定したのは、死体を放り込む……とかだった……けど内部にそんなきたない場所があるのはね。私的には嫌だ。しかもそれには厄介な重労働が必要じゃん。そういうのは求めてない。この施設は全自動で全てを解決するのが売りなのだ。

　なので、簡単な方法になってる。ある程度近くまで獲物を持ってきてくれればいい。施設の周辺には杭というか、そう言うのがいくつも建ってる。その内側にもってきてくれるだけで良いのだ。要はその杭の外側にはみ出てる石化した砂獣達を賞金稼ぎには内側にもってきて貰う仕事があったわけだ。

　割りもよく危険も無い。人気の仕事だったけど、いくら沢山の砂獣を得れたといっても、物資にして行くにつれて、その数は当然減っていくわけで……そして今までに無い物資の供給に、色々とアズバインバカラとジャルバジャルは湧いてるのだ。

　そもそもがこの世界は物資が供給不足だった。だからこそ、そう言う施設を作ってそして得れた物資はどっちにも割り振られてる。そして活気に湧いてるわけで、ハッキリ言って有ればあるだけ使われる状況である。このままではすぐにここの石化した砂獣達は枯渇してしまうだろう。だからこそ、彼らである。

　私や勇者が行くのが確実なんだろう。でもそれでは駄目だ。だってそれでは私達におんぶに抱っこ過ぎる。てかあの施設だってやり過ぎな感はある。これから協会の奴等との戦いのために……と想って作ったけど、この世界の上位存在がどう思ってるのかはわかんない。

　その内妨害とか天罰？　的な物が来たりするかもしれない。けどそれは知らないね。私的ご褒美はここまでなのだ。なので、この施設を生かすも殺すもこの世界の人達次第。なので彼らは砂獣を狩るために集まってる。賞金稼ぎだけではなく、軍も居るのはただの駆除では無く、重要度が上がったからだろうね。

　施設から遠くで倒すとそれだけ運搬が大変なんだけどね。まあ彼らも何も考えてないわけじゃ無い。どうにかするでしょう。どれだけ協会が放置してるかもわかんない。きっと近々、奴等は攻めてくるんじゃ無いかって思うし。てかアズバインバカラ側が……王様側が明確に教会との敵対を表明するかもしれない。

　既に中央から王様はいないから、そこら辺知ってる奴等からしたら既に敵対関係とみられてると思うけど、協会側は大々的に発表してるわけじゃ無い。だからこっちから奴等は敵だ！　というわけだ。

　その準備もラパンさん達はしてるだろう。そしてそうなったらもう戻れない。いや、王様達も操り人形に戻るつもりは無いだろうけどね。教会にはきっと、この世界の秘密がある。色々と蜘蛛人間から聞いたが、教会のやり方には賛同なんて出来ないからね。

　そこら辺を公表するのかはわかんないが、とりあえず私達はこっち側でサンクチュアリを得る――それは変わらない。