転生したらロボットの中だった(ただし、出る事はできません)

ファーストなサイコロ

運命という世界線を壊せ 583

「一体どうしたのですか?」

 まあそうなるよね。とりあえず勇者が話を効いてくれてる。私もその声を傍聴してる感じだ。とりあえず勇者が案内して、詰め所のそれなりに広い部屋に行った。もう既にこのアズバインバカラならどこにいても私の影響……というかG-01の監視の目からは逃れられないようになってる。それだけの監視態勢が整ってる。

 まあだからって誰彼構わずにプライバシーを侵害なんてしてないけどね。私だってそんな暇では無い。そこらの一般人の動向を見て楽しむ趣味も無いからね。だからそこら辺は安心して欲しい。まあ誰にも言ってないんだが……

「それは……」「えっと……」

 ふむ……屈強な男達がもじもじしてても苛つくだけだよね。早く話せよ――って思う。けどそれも無理はないとも理解してるよ。だってアイがこの場にいるからね。彼らとしてはアイにバレる前にラパンさんか勇者にでも直談判したかったんだろう。

 実際直談判は今まさに出来てる。けど……批判する本人が目の前にいるというのは、やりづらいというのはわかる。でも勇者は一端アイを外に出す……とかはしない。あの気配り上手な勇者が私が気づくようなことを気づいてないわけ無いのにね。

 ということはつまりは、アイの目の前でちゃんといった方が良い……と言う判断なんだろう。なら私は口出ししないよ。

「大丈夫ですよ。事実を話してくれれば何も問題はありません。そうですよねアイさん?」

「勿論です。嘘で無ければ、口を挟むことは無いと約束しましょう」

「なので安心して喋ってください」

 勇者のそのどっしりとした感じに安心感を覚えたのか、ジャルバジャルからきた人達は用意されてた水を一気に飲み干して意を決して話し出す。

「私達は人間なんですよ!!」

 と言うのがはじまりだった。うん、なんかそれだけでアイがどんな扱いをしてるのか……想像できるよね。

 それからはたがが外れたように彼らは口を開いていく。

「スケジュールの徹底管理は当たり前……それも仕事の時だけじゃ無くて、この人は一日のスケジュールを強要してくるんだ!!」

「それに仕事だって、何処が悪いのか、もっと効率の良い体の使い方……そしてさらなる効率を出すために俺たちを筋トレを強要するし……」

「それに酒は全面禁止にされました!! 仕事終わりのいっぱいが生きがいなのに!! 延々と酒の悪さを聞かされて、そんなことが出来ないように、宵が始まる瞬間まで、彼女が俺たちを監視してるんだ……」

 最後の人なんてめっちゃ震えてた。そしてアイの方をみることも出来ない。トラウマじゃん。てかブラックなことしてるね。そう思ってると、すっとアイが手を上げてこういった。

「異議あり」

 裁判かな? そのアイの素振りには全く悪びれた様子は無い。てかきっと悪いことをやったなんてアイは思ってないだろう。寧ろ何でこの人達が拒否るのか……それがわかんないんじゃないかな?

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