転生したらロボットの中だった(ただし、出る事はできません)

ファーストなサイコロ

運命という世界線を壊せ 531

攻撃を繰り返していく中で、我は我の力を置いたところから情報というか、そんな詳細なものではないが、感覚的にどういうものなのか……それを掴む事が出来る。それで言うと、ここのAIが言ったこのパーツを保護してる丸い球体『ウルリル』とか言ったか? それは確かに隔絶された何か……のようだ。

 結界や障壁に近いもの……と当初はみてたが、そうではない。これはその言葉通りだった。どうやらあのウルリルと言う場所は隔絶されている。見えているものは確かにあの空間にあるのだろう。だが、あの球体の内と外では空間が断絶されている……いやもっと複雑な何かが施されている。それこそ、空間さえ超える何かを想定して対策してるような……そんな感じがする。

(つまりはこれは……空獣対策か……)

 思いつくのがあいつだろう。あの空獣とかいう化け物は、数多の世界を食い尽くしているらしい。そしてそれは神と呼ばれる存在さえも手を出せないほどの化け物。対抗できたのはそれこそシザーラス人と呼ばれた奴等だけだったのだろう。だがその者達でさえ空獣によって滅ぼされてしまってる。

 だがそのもの達はまだ諦めてなかった。だからこそ、各地に……というかかく世界にこういうものを残してるんだろう。そしてそれを空獣とかから護る術もちゃんと用意してた。流石と言わざる得ない。

(空獣対策としてこれがあるのなら、今の我ではこれを裏技的に超えるのは厳しいか……)

 空獣はあのジゼロワンでさえ、追い返す事しか出来なかった存在だ。そんなやつを標的にしてるような仕掛け……いやこの場合は保護か。それを今の我が破壊できるとは思えない。魔王である我だからこそわかる事もあるのだ。

 我は傲慢だし、自分の力に自信もある。だが、世界は広いと知った。それは我がこれ以上に成長できる証だ。だが、だからこそ、我はまだシザーラス人達に全然追いついてないともわかってる。なにせ……だ。このウルリルとか言うのに我の力を置いてみてわかったのは、これはどうしようもないという事だ。我の力が何もない場所に飲みこれまれている。

 そしてそれをどうしたら突破できるのか、全くもってわからない。この隔絶された場所を繋げられれば……もしかしたらあの球体の中に力を通せるかもしれない。だが……どうやらシザーラス人は用心深い様だ。

 何せこんな物まで作って完璧に保護してるんだ。もしも、この施設にある物に価値を見いだした奴等が何かをしないとも限らない。その為の対策だって、シザーラス人がしてないと? ただ力で強引にやるにはどう考えてもその力の総量が足りず、技術でどうにかしようにも、その技術で世界のどの種族よりも優秀だったと神が言ってるシザーラス人を上回ってるわけがない。

 これは……やはりAIをどうにかするしかないのかもしれない。敵対してしまったが……結局はそこに戻ってくるとはな。我は……どうやらまだまだ弱いらしい。

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