転生したらロボットの中だった(ただし、出る事はできません)

ファーストなサイコロ

運命という世界線を壊せ 521

 砂の下に埋もれたシザーラス人の遺跡。そこに足を踏み入れる。我のことを仲間だと思ってるようだから、攻撃が来ることはないと思うが警戒はしておく。初めに歓迎しておいて殺すなんて事は人間がよくやっていた手だ。シザーラス人がそこらの低脳な人間と同じなのか……それはわからないが、これだけの超技術を保有してた奴等だ。

 何を考えてるのかわかった物ではないだろう。この世界の神の言葉が事実なら、シザーラス人は空獣によって滅ぼされたらしいが……我的にはこれだけの技術……そして信じられないほどの力を持ったシザーサス人が完全に滅んだなんてのは信じられない。

 いや、我よりもこの世界のことを把握できる神が言うのならそうなのかもしれないが……神さえ空獣には立ち向かえなく、けど彼らは立ち向かった。それだけの奴等だったと言うことだ。

「出来ることなら、戦ってみたかったな」

 そんな言葉が湧き出てる。何せ我は戦いに飢えてるからな。強敵はどんとこいだ。そう思うと、あの神とも一戦戦っておけば良かった。あいつは交渉だけして自分は絶対に安全な場所にいたからな。まあ一応ちゃんとした取引をしたからまだマシだがな。あいつはきっと我のことなんかゴミくらいにしか思ってなかっただろう。

 ただシザーラス人であるジゼロワンをこの世界から切り離すために利用できる奴という程度の認識だ。我にくれたこの力も神からしたらそんなにたいした物ではないのかもしれない。今のジゼロワンに迫るような力の総量だが……これをたいしたことないと考える奴らがいる。それだけで体が震えてくるようだ。一つの世界にとどまっていたら絶対に知ることがなかっただろう。これで終わりだと思っていた勇者との戦い。だがそれは次に繋がっていた。

ならば目指そう。この試練も、次なる戦いへの布石。そしてより強い相手を求めていくのなら……我の瞳に映るのはこの施設の内部に浮かぶよくわからない物の数々。だがその先を我は見てる。我は空獣と戦う力が欲しい。

 世界を壊す奴を倒したいとかそんな高尚な気持ちでは勿論ない。ただただ、それは我の欲求のためだ。神さえも恐れる、そしてシザーラス人までも滅ぼした空獣。我は最初に邂逅したとき、何も出来なかった。ジゼロワンにすがってその全てをかけて、ようやく追い払った程度だ。

 復讐……そう、復讐が必要だ。この神から貰った力。そしてここの物体。それを使えば我は更に高みにいける。

『コード不明。しかしユグドラシルの残滓であることは100パーセント。主はどうしましたかユグドラシルの残滓よ』

 そんな声が聞えてくる。ここでジゼロワンの事を話せばこの施設はきっとジゼロワンへとここにある物を託すのだろう。それは困る。だから我は言う。

「我だけだ。生き残ったのは我だけ」

『それは不思議です。この世界の力とユグドラシルの力はそのままでは相容れないはずです』

 速攻で嘘が見破られた。……おいおいこいつやるな。

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