転生したらロボットの中だった(ただし、出る事はできません)

ファーストなサイコロ

運命という世界線を壊せ 515

「うぐおおおおおおおおおおおおお!?」

 我は宵になるのを待って鬼と対峙してる。いつかはこいつらも……と思ってたが、なんとジゼロワンが鬼を複数倒したというじゃないか。そうなると挑みたくなるのが我というもの。そう思ったから、許可を得てジャルバジャルからでて早速、我は宵に挑んでいる。
 この世界の住人達は宵になる前に世界の理によって眠りにつく。それは魔法なしではあらがえない強制的なことだ。そしてそれはある意味でこの世界の住民を守る作用もあるんだろう。だが我らは違う。別世界からやってきた我らにはそのような法則、理は適用されない。されるはずがないから普通に起きていられる。
 まあそもそも、我は眠る必要なんて元からなかったがな。我は常に戦っていたいくらいだ。強敵……それをいつだって求めてる。世界を渡って強敵に出会えるという今の立場はとても願ったり叶ったりだ。

 強くなる渇望を満たしてくれるのなら、どんな存在にだって我はなる。そして次の獲物はこいつだ。こいつらだ。我の前には複数体の鬼。どうやったら倒せるか……この世界に来て、初めて宵を体験したその日から考えていた。
 考えてはいたが、挑みはしなかったのは今の自分では勝てないと、認めていたからだろう。それにジゼロワンも逃げていた。あいつは確実に我よりも強い。だからそんなあいつが……という逃げがあったのかもしれない。そしてジゼロワンが鬼を倒して、その力を飛躍的に高めてたのを見て、「何をやってるんだ我は!!」と思わずにいられなかった。

 後先なんて、どうでも良いではないか。我は血湧き肉躍る戦いを渇望してるんではなかったか? それなのに強敵から逃げてどうするのだ。負けるとわかってるから逃げる……そんなやつだったか? いや違う!! だから挑んでいる。

「くははははははは!! これだ!! こういう戦いをしたかったんだ!!」

 敵は圧倒的。すでに我の体はボロボロだ。力の差は歴然。だが……それでも我は鬼に挑み続ける。すると不思議なやつがやってきた。青い光が降り注ぎ、それに対して鬼達がひれ伏す。そして感じる力……間違いなく鬼よりもやばい存在がその光の柱の中には居る。

『やあやあ『シザーラス人の眷属』よ。この世界の神である私と取引をしないかい?』

 そんなことを神と名乗るそいつは言ってきた。

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