転生したらロボットの中だった(ただし、出る事はできません)

ファーストなサイコロ

運命という世界線を壊せ 507

「ふう……」

 色々と蜘蛛人間ヌポポから聞き出すことは出来た。でもいきなり全てを……って事にはならなかったな。なにせこっちは知ってる情報が少ない。向こうの前提知識というか、そういうのから普通の人達は知らない。そして蜘蛛人間ヌポポはとても長い間生きてるらしい。それこそ千年くらいは経ってるみたいだ。
 国家とかがないときから彼は動いてどうやって人が全滅しないか……それをもっともっと厳しいときからやってきたらしい。確かに今は街が出来てて、そこで生活できるから、ある程度の安定……と言うのはある。けど最初はそんなの存在してなかった。一応都市核……と言うのはこの世界を作った神から渡されたというのは聞いた。でも最初の都市核は勿論都市核とか言う名前でもなく、そして一個だったらしい。今の都市核はあるときに必要な街の数に対応して大きな一つの塊から砕いたと言うことだ。
 
 そして一番重要な事……実際問題教会が神と交わしたとされる約束というか契約みたいな物だ。それに伴って教会はこの世界を導こうとしてるのは明らかだ。その詳細を知りたいと思ってた。そして必要な街の数ってナニに? って思うしな。ようは元から必要だから街を作った。それも神との契約だったはずだ。
 神は――

『なるべく多くの人の命を残して太陽に到達せよ』

 ――と言ったらしい。普通の人々は太陽に到達したら終わりだと思ってる。けど教会は太陽に到達しようとしてる。それはやっぱり神がそう言ったかららしいな。でも……それを庶民に隠すのはなんでだろうか? いや、それの理由も聞いたけどな。
 単純な選民思想だ。なるべく多く……そう神は言ったみたいだけど、具体的な数字は言ってない。だからまあ、自分達以外は適当でも良いと思ってる。だからこそ、街が滅んでもそこまで教会は焦ったりしないんだろう。教会は神が行ってたなるべく多く――っていう言葉を少なく見積もってるのかもしれない。
 教会は民衆が死に絶えたら困る……がある程度減ることはなんとも思ってない――だから砂獣への対処が甘々みたいだ。

(なるべく多く……なら多い方が良いんと想うんだけど)

  実際どんどん最近は人口は減ってるらしい。今のままの人口で実際足りるかなんてわかんないと思う。それなのに、殆ど何もしてない教会は神が今の人数で満足するって言う根拠でもあるのだろうか? そこら辺は最近教会にいなかった蜘蛛人間ヌポポにはわからないらしい。
 でも……蜘蛛人間ヌポポ的には今の人口で良いとは思ってないらしい。やっぱりだけど、ヌポポは違う。なんとかこいつを通して教会の本当のトップである伝道師達と話をつけれないだろうか? それが出来れば、全部上手く収まる気がする。

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