転生したらロボットの中だった(ただし、出る事はできません)

ファーストなサイコロ

運命という世界線を壊せ 505

「教皇……ではないの。あいつは目立つのは嫌いじゃからな。。そう言うのは神輿に相応しい奴にやらせておるわ。そうじゃの儂等は老子会の重鎮じゃからな。老子と呼ばれるが、そのなかでも儂等は特別にこう呼ばれておるよ。……伝道師との」
「伝道師……」

 なるほど……確かに老子では偉そうではあるが、おじいちゃんみたいだもんな。まあ別に年を食ってるのは間違いないし、そういう一番上の役職にまで上り詰めるとなったら自然と人の寿命の大半を使っちゃうだろうからおじいちゃんになるんだと思う。間違いではない。けどお年寄りの中にはお年寄り扱いを嫌う人も居ることは確かだ。
 誰がどう見たってよぼよぼなのに、元気と言い張る人が居るとかね。まあきっとそういう人は元気の基準が平均よりも下になってるんだと思う。その人にとってはもしかしたら体が痛くなく動くだけで元気――なのかも知れない。ずれが生じてるというか……そういうことだろう。
 老子に対して伝道師という肩書きなら老いてるって印象もないし気持ち的に確かになんか伝道師ってなかなかに凄そうというか、そんな気がするよね。伝道師なら物語に出てきそうだしな。でも老子は出てこないじゃん。一般には老子で通ってるけど、内々では伝道師なのか。

「貴方たちが伝える話っていうのはこの世界の成り立ちとか太陽に到達した後のこととかですか?」

 伝道師というのはやっぱりそういう世界の成り立ちとかを伝えてそうだ。あとは協会の奴らがいう太陽に到達した後……一般にはこの世界は太陽に到達したらその炎にすべてが焼かれてしまう――と言われている。けど今までの協会の偉い奴らはそうは思ってない。今のこの世界は終わってしまうが、それからまた新たな世界が始まる――的な感じなことをおのおの言ってた様に思う。
 そしてそれは誰かが伝えないとどう考えたって太陽に到達したらその時点で世界的には終わりだと思うのが普通だと思うんだ。だって砂獣が襲ってきて街がなくなると砂が街を飲み込んで世界の嵩が上がる――そうやって太陽に徐々に近づいて行って最終的にはその熱で世界は灼熱の地獄に包まれる。それは誰にも想像しやすいことだと思う。その後があるなんて普通は考えられないじゃん。
 誰かにそういわれないと……それこそ自分たちの世界の方で言われてた死後の世界……そこに楽園があるという考えなら、聞いたことあるがそれとも違うだろう。

「そうじゃな。この世界は一人の神の気まぐれ……実験場なのじゃよ。いや世界はどれもただの遊び場なのかもしれんがの」

 そういって笑いつつ蜘蛛人間ヌポポは「神とは本当に身勝手じゃな」とか小声で言ってた。なんか辟易してる? そんな気がした。

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