転生したらロボットの中だった(ただし、出る事はできません)

ファーストなサイコロ

運命という世界線を壊せ 488

 勇者がやってきた。今更だし、なんか女を複数侍らせてて心証が悪い。私だけかも知れないけど。みなさんは勇者が来たことでなんか安心したような顔してるからね。

「「「勇者様!」」」

 みなさんが勇者のことを待ち望んでたのか誰もが勇者のことを呼んだ。本当に人気者だね。

「一体何が?」
「それがジゼロワン殿があれを捕獲したのですが……」

 ラパンさんと一緒に来てた人がそんなことをいって蜘蛛人間のことを見る。そして私が持ってる脚を見た。それで導き出される答えは……

「ジゼロワン殿、その蜘蛛のような何かの再生実験を?」

 違うわ……こいつは私がどれだけ残酷だと思ってるのよ。別に再生なんて出来るなんて思ってなかった、ただ必要だから引きちぎっただけだ。あれ? それってより残酷ではないだろうか? いやいやでも、こんな奴に同情しても……ね。だってこいつ協会関係者の化け物だよ? 絶対にこれまで命をもてあそんできてるはずだ。確証はないけど……けどなんせ教会は腐ってる。確証はないが絶対にそうだと言える。なにせこいつの体これだけ限界を迎えてるんだよ? 
 だってピローネちゃんの体はまだみずみずしいからか、その再生能力は凄いらしい。私は流石に幼女の脚をぶっちぎる……何てことはしないからわかんないが、戦った勇者の記録を見るに、ピローネちゃんの方は別に回復するために寝てないといけない……何てことはないように思える。
 いやまあ、一定以上のダメージを負えばピローネちゃんでも同じようになる可能性はあるけどね。なにせ私は蜘蛛人間をボコボコにしたからね。とりあえず首を横に振りつつ、私は勇者に通信越しに抗議するよ。

(そんなわけ無いでしょうが!)
(まあそうだとは思ってましたが……この……この……何ですかこれ?)

 まあ実際この蜘蛛人間がなんなのか……と問われると困る。知らないし。多分教会のお偉いさんだ。そこら辺を確認する必要はある。

(多分だけど、ピローネちゃんと同じだよ。今街の外に教会の奴が来てると思うけど、そいつと一緒に来たから協会関係者なのは間違いない。それに理性もちゃんと保ってた。そこら辺、上手く皆さんに伝えておいて)
(なるほど……猟奇的なそれは?)
(ピローネちゃんの為のサンプル?)

 そういうと、なんか疑わしそうな目を向けてくる勇者。いや本当だよ。他にどう使うのよ。こんな気持ち悪い奴の脚を集める趣味なんて私にはない。

(わかりました。とりあえず自分が説明しましょう)

 そういって色々と細かく私が得た情報を勇者に話させる。やっぱり喋れないのは面倒だなって思った。

「転生したらロボットの中だった(ただし、出る事はできません)」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く