転生したらロボットの中だった(ただし、出る事はできません)

ファーストなサイコロ

運命という世界線を壊せ 476

「この状況で堂々と来るかな?」

 私はそんなことを呟きながら、カメラでとらえてる映像と、目の前のピローネちゃんを見てる。拡張された脳が二つの処理くらい同時にやってくれるよ。うんうん、私頭良くなってる。まあこれが頭良い――と言うことなのかと言われると微妙だけど。

「むむ……」

 なんか馬車はアズバインバカラの手前数キロの所で止まった。そして何やら出てきた。一人の神官。あの変な格好した奴ね。全身をすっぽりと覆った幾何学模様の服をかぶってる。絶対に暑いはずだけど……いや魔法でそこら辺はどうにかしてるのかもしれない。ネナンちゃんを狙った奴等を一回ぶっ倒したときに色々と調べるべきだったね。あのときは確保までしなかったからね。
 そんなチャンスはなかった。けど……

「あいつの存在に気づいてるのは今はまだ私だけ……」

 何だよね。これは……人知れずに教会の情報を手に入れるチャンスではないか? あいつが何者なのかは知らないし、興味も無い。けど、教会の力を把握のするのは重要だ。実際、私や勇者や魔王が出張れば、教会なんて潰せそうな気はする。けど……それは現実的ではあるが、きっとの世界の人達のためにはならない。

「ならないかな?」

 ラッキーとはなるだろう。実際面倒ごとをやってくれる奴らがいるなら私だって任せたい。誰かが空獣を倒してくれないかなって思ってるし。あんなのにもう一度挑むとかイヤだ。前の時はたまたま生き残れたに過ぎないからね。実際、あれにG-01をパワーアップさせた果てに勝てるのか……というと疑問だ。
 
「イヤなことは置いておこう。今はあいつ……げっ、何アレ?」

 なんか出てきた。馬車からいつもの教会の服に身をくるんだ奴の後にもう一人……けどあれはもう一人……という人の単位を使って良いのか? だって……体が蜘蛛なんですけど。どうやって入ってたのか謎だ。扉からにょきって感じで細長い足が出てきた。そしてかに歩きみたいにしてその長い足を大半出したら、今度は体が……というか頭が? アレには見る限り蜘蛛の体に人の頭がくっついてる感じだ。気持ち悪い。せめてアラクネみたいな見た目ならまだ人の感じがあったと思う。でもほぼ蜘蛛じゃんアレじゃあ。それに顔もなんか変というか……ズームするとその異様さがよく見える。見たくないが……そもそもが全長というか何というか、馬車よりもデカいんですけど。脚が異様に長い。そのせいで高さは二メートル超えてるよアレ。体と頭は同じくらいの大きさしてるから、脚が異様だね。それと頭もか。

 なんか目を開けてない。ぬいつけてある。両目共ね。そしてその紐に何やら宝石がジャラジャラとたれさがってて、さらには鼻からも宝石が垂れてるし、頬にもピアスのようになんか装飾品がついてる。気持ち悪いことしてるなーって思った。

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