転生したらロボットの中だった(ただし、出る事はできません)

ファーストなサイコロ

運命という世界線を壊せ 457

 アズバインバカラの前には相当の兵力が集まってるように煮える。どうやら連絡を受けてラパンさんが頑張ってくれたようだ。賞金稼ぎ達に正規の軍人達総出の数だと思う。王様達を護って迎えないといけないんだもんね。ここでケチケチした兵力しか出さなかったら、王様達から不審がられるかもしれない。
 てか今まで教会によって蔑ろにされてきた王家の方々である。「ここでもそうなのか……」と落胆をしてしまうかもしれない。王家にはしっかりと民衆と貴族達の上に立って導いてもらわないといけない。そのためにもちゃんラパンさんはどっちが上か……って事を示さないといけないと判断したから総戦力を出してきたんだろう。それだけの価値があって尊い方だと、暗に民衆にも知らせてるんだと思う。

 これだけの戦力が動いたんだから、勿論町中でだって噂になってる筈だしね。てかなってないわけない。大きな軍というのは隠して動かすこと何て出来ないからね。そもそもここ、目と鼻の先だし。砂獣達の大軍の足音はきっと既にアズバインバカラの民達へと届いてるだろう。それこそ不安と共に。

「ちょっと一芝居打った方が良いかもね」
『なににですか?』
「ふふ、ちょっとした出し物だよ」

 私はAIにそう言って含み笑いをする。そして通信を勇者に繋げた。そして内容を告げて、一端私はこの場から離れることにした。なにせこのままだと私が全ての砂獣を叩き潰してしまう。それでは恐怖も一瞬だ。絶望を感じるからこそ、より希望という光りが大きく感じるのではないか? そういう事だ。
 なので私は大きくジャンプしてアズバインバカラを離れる。まあ上空に飛んだだけだけどね。今まではブースターを使っても常に空に居続けるなんて事は出来なかった。それは出力の問題だ。最初のブースターでは滑空は出来てもG-01の質量を無理矢理浮かせるなんて事は出来なかったんだ。でも宵の間にG-01は幾度もアップグレードを施した。それはブースターだってそうだ。腰のブースターは前よりも大きく……はなってないかもだけど、形は変わってるし内部の構造とパーツの高性能化で出力的には160パーセントの向上を実はしてる。全てのブースター――それこそ掌とか肘とか膝とか足裏とか全てを使えば200パーセントを超える出力向上だ。
 それもあって今はブースターで飛ぶことが出来るように成った。頑丈には成ったけど、G-01の重量が減ったことも大きい。高性能なパーツや部品というのは軽くて頑丈を両立してるらしい。どういうことかは知らない。そう言う物たと思うことにした。

 まあとりあえずは私は砂獣も手出しできない上空に居る。太陽が熱い……いや私的には熱くないけど、G-01の体が熱せられてるのは分かる。まあけど大丈夫……G-01の今の耐熱性能は摂氏一万度である。太陽に腕をつっこまなけれは大丈夫だろう。だから熱さは無視してる。まあ私の居るコクピット内は全然涼しいからね。関係ない。さてさて……上手く勇者はやってくれるかな? 

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