転生したらロボットの中だった(ただし、出る事はできません)

ファーストなサイコロ

運命という世界線を壊せ 444

 G-01の目からビームが出る。それはさっき新型サソリ型砂獣バージョン2の隠し球だった口からの砲撃……いやそれだけじゃなく、奴が持ってる砲台から放たれる砲撃全てを合算した奴さえも突き抜けたビームなんだ。
 だからこんな……こんな棒っきれみたいな砂獣を貫けないはずがない。うん、そう思ってました! 放たれた二本のビームは棒っきれみたいな砂獣に当たった瞬間に、屈折してあらぬ方向へと行ってしまう。

「なぁ!?」

 私は急いでビームを止めた。こっちに向かってこなかったからいいけど、もしもそうなら……

「これってG-01をも貫通できるの?」
『G-01の装甲は波長を合わせてるので大丈夫ではあります。そもそもが自身の攻撃でダメージは受けないような設計になっていますよ』
「なんだ」

 そうだったんだ。至れり尽くせりだ。でも万が一を考えたらそれが良いよね。一応目からビームの説明書を引っ張ってきたけど……うん、読むのは後で良いかな? 確かに脳の機能が拡張されて余裕があると言っても今は戦闘中だ。戦闘中に余計な事を考えてると足下すくわれそうだしね。
 とりあえず自分の攻撃ではダメージは受けないと刻んでおけば良いだろう。

「それにしてもこのビームかなり強力だと思ったんだけど……そうでもないの?」

 実は新型サソリ型砂獣バージョン2のあの砲撃の集合体はそこまで凄くなかったのだろうか? 見た目的にはメッチャヤバい攻撃のようだったんだけど……でも考えてみればこんな細いビームに負けるくらいだったからね。
 あれのせいでこの目からビームが凄い物だと思ったけど……案外そうではなくて新型サソリ型砂獣バージョン2の攻撃がしょぼかった――って言う可能性が出てきたね。
 どっちかというか、新型サソリ型砂獣バージョン2は近接がメインな気がするし。砲撃はあくまでも補助的な? 

『いえ、強力ではありますよ。むしろそれの防御力が異常なんでしょう。組み付いてるんです、詳細にスキャンしてその構成を知れれば此方の応用でどうにか出来るかもしれないですよ。やってみてください』

 むむ……AIがまた無茶振りを。きっとそんな機能もG-01に加わったんだろう。そして更に細かくいじれる項目も追加されてるんだろう……はっきり言って、更に脳の機能を拡張しないと足りなくない? 出来ることが多くなると、それだけ脳が足りなくなっていく気がする。
 G-01もそうだけどさ……私も同時に強化していくのが必要では? そんなことを思いながら、私は組み付いてる棒っきれみたいな砂獣をスキャンした。別に視界からの情報なら組み付かれてる意味は無い。だから接触部分に意識して、その体組織とかを感じる。それを私が理解してなくても、それに有効な……うん、何か良い感じの波長を追加してくれるだろう。というわけで、もう一度目からビームを撃った。

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