転生したらロボットの中だった(ただし、出る事はできません)

ファーストなサイコロ

運命という世界線を壊せ 420

 鬼達の足下から湧き上がってくる砂獣達。でもいつも観るような見た目では奴らもない。なんか泥をかぶってるのか、どろっとしてるように見える。一部分が溶け合ってるような……そんな感じだね。まあようは不気味……

「あれはとりあえず視界に入れないようにしよう」

 私はそう言って鬼達の足下は見ないことにした。観るのは鬼達自身。そしてG-01のスキャン機能をフルオープンにして解析を開始する。

「うぐ……」

 その瞬間、頭にズキッとした痛みが走る。早い……私の脳細胞が根を上げるのが早すぎる。でももうちょっとはたいて頑張ってもらう。

「凄い……これが命の構築式って事?」
『そこまでわかるようになって嬉しいです』

 なんか小馬鹿にしてない? 私だって色々と勉強してるんだよ。一応ちゃんと頑張った知識は脳細胞に刻み込まれるのか忘れることはないからね。それはありがたい。
 まあAIの言うように思い出すのが大変なんだけどね。それこそ記憶の引き出しが増えていけば行くほどにその記憶の引き出しに何があるのか……それを把握しておくことが大切なんだけど、流石に記憶にラベルを貼り付ける……何て出来ないじゃん。
 だから私は最近思う。本当に頭が良いってのは記憶力ではなくて、その記憶をどれだけパッパッと引き出せるかなのではないかと……私は記憶も引き出しも苦手なわけだけど……記憶に関してはもう本当に強制的に書き込んでくるからどうにかなってると言える。でも引き出すのは自身のスペックでどうにかするしかないんだよね。
 なにせいくら高性能なG-01でも引き出すときまでその機能で補助をしてくれることはないのだ。

(ここまで来たらその補助も出来そうだけど……)

 記憶の書き込みは強制的に出来るのに、引き出すのは強制的には出来ないってどういうことなんだろうか? 実は引き出すときの方が脳への負担が大きい――とか? なくはなさそうだね。乗り手の安全を考えてるのかも? 

 まあとりあえず今は解析だ。どうやら鬼達はこの世界に新たな命を生み出そうとしてるみたい。これを解析出来たら、私にも神のまねごとが出来るように成るかもしれないね。

『命を一つ作るのに膨大なエネルギーが必要に成ります。これだけの都市核でも足りないでしょう』
「ええー、それで別に超強くはないんだよね?」
『魂は成長が前提ですからね』
「なら、効率悪いな……」

 私は早速鬼達の解析へのやる気がなくなってきた。だって使えないじゃん。私は成るべくなら、楽して強くなりたいんだよ!

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