転生したらロボットの中だった(ただし、出る事はできません)

ファーストなサイコロ

運命という世界線を壊せ 418

『いきなり大部分を換装すると確率は引くいですが、パーツの齟齬が起きる可能性があります。それに慣しも必要ですからね。それに出力が変われば、貴女がこれまで通りに動けなくなる可能性があります。なにせそんなに運動神経良くないですからね貴女』

 うっさい。自分がそんなに運動神経良くないのは自覚してよ。それでも上手くなんとかやってくれるのがG-01のシステムなんだと思う。転びそうになっても、大抵は勝手に立て直してくれるからね。

「そんなに感覚か変わる物なの?」
『それは人によると思います。ですがそういうの、鈍くさい方でしょ?』
「ぐぬぬ……」

 否定出来ない自分の鈍さが悔しい。確かに私は鈍くさいよ。ちょっと感覚が変わると、上手く動かせなくなる……という可能性は大いにあると思う。

「じゃあ……どうすれば?」
『逃げ足は得意じゃないですか』

 嫌みか……でもそうだね。前も逃げれたし、今回は小手もある。ダメージは与えられなくても、牽制とかには使えるだろう。とりあえず慎重に私は鬼達へと近づく。てか近づけば近づくほどに奴らが作ってる虫がリアルで……うん、気持ち悪い。
 なんか長い体……ムカデのような体にカマキリのような鎌をその足につけてるね。どんだけ凶悪な虫作ってるんだよ。さらにさらに背中側にはなんか砲台みたいな物も……遊びすぎじゃない? ちなみに何故か顔はありのような顔が三つついてる。化け物か。いや砂獣自体が化け物だし、今更だけどさ。
 観てるだけでおぞましいが、それを制作してる鬼達は……

「何やら楽しそうだね」

 うん……そう見える。わたしをおいかけてくる時なんて無表情みたいな感じなのに、何で虫を作ってるときはそんなに楽しそうなのか。いや表情がこいつらにある訳ではない。
 けどさ……なんか肩をすくめたり、隣の奴の方をポンッとたたいたリさ。何か感情がわき上がってるのが見えるというか何というか……そうこうしてるうちに、次は別の虫を作り始めてる。羽が生えてるタイプだね。細長い体に蝶のような……というかこの場合は蛾みたいな羽をつけて、体はお尻の方がくるっと丸まってる。頭は異様に大きく、その先に大きな二つの目。まあこれも不気味だけど、そこまで普通の虫を逸脱してはないかも? 
 更にもう一体。今度は細長い体に細長い足が八つくらいついてるメッチャシンプルな虫をあっという間に作ってた。その最後の虫には頭とか呼べる物はない。前も後ろも同じ形してる。欠陥かな? でもどうやらそれで満足してるようではある。シンプルイズベスト的な感じだろうか?
 そうして最後の仕上げなのか、鬼達は胸のところで両手を組んで何やら祈りだした。
 その瞬間、コックピット内に警報が鳴り響く。

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品