転生したらロボットの中だった(ただし、出る事はできません)

ファーストなサイコロ

運命という世界線を壊せ 412

「えーと……まぁいっか」

 私はそう思うことにして、連続して拳を振るう。これ自体は派手じゃない。だって別に光線が出るわけでもないし、派手な武器を使ってるわけでもない。
 だから砂獣達は私の存在にまだ気づいてないみたいだね。小手なんてかっこよくないからイヤだったけど、派手じゃないと言うこともメリットはあるんだね。
 質実剛健というか……でも私的にはもう少し可愛くても良いと思うんだけど、基本武器やパーツってその通り作られるからね。下手に自分でそこら辺弄ったら不都合が出るかもしれない。
 だからやりづらいけど、武器だったら自分でデザインを変えるとか出来ないだろうか? 今G-01についてる小手ははっきり言ってめっちゃシンプルだ。
 マジでただの板というか、金属板というか……そんなのだ。一応なんか不思議な光を放ってる? いや放ってはないね。覗き込むと深みがある色をしてるのがわかるから、ただの金属板では無いとは思う。でも見た目はマジでただの板だからね。
 面白みもデザイン性もないよ。このデザインに大きな意味が無いんなら、どうにかしたいよね。まあ威力は申し分ないけど……

「これってどうなってるわけ?」

 ただの板で殴ったら、遠くの砂獣達がなぎ払われてるんだよね。意味がわからない。これで殴ったら何か空気の壁? みたいなのを感じる気はするけど……よくわからない。

『その推測は合ってますよ。確かにその小手は空気を殴ってますから』
「そうなんだ……けどそれだけでああなる?」

 砂獣はああ見えて……というか見た目通りに頑丈だ。空気をぶつけただけでグシャって成るだろうか? 何かもう少しありそうな気がする。

『空気だけでは勿論ないですよ。空気と空間に影響を与えています。詳しくは――』

 ヤバい、AIがノリノリになってきた。何言ってるかよくわからない。とりあえず空気と空間に干渉させて、防御力無視の衝撃を届けてるらしい。かなりチートな小手である。本当に後はデザインさえ良ければ……ね。
 私は勇者達と砂獣達の間に降り立った。そしてすぐに拳を振るって、勇者達の後方に迫ってた獣達を吹っ飛ばす。

「まあよくわかんないけど、楽しいからいっか!!」

 最初はしょぼい武器だからヤダと思ってたけど、拳を振る度に砂獣が吹っ飛ぶのが案外面白い。

「追いつかせないよ!」

 二千体くらいるからね。私から遠いところに居る砂獣は回り込んで勇者いや、勇者や私は手強いからか、賞金稼ぎとか戦闘能力がない人達を狙おうとしてるみたい。

 けどそんな悪い子には鉄拳制裁だ!!

「とうりゃあああああああああああああああああああああ!!」

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