転生したらロボットの中だった(ただし、出る事はできません)

ファーストなサイコロ

運命という世界線を壊せ 386

 ガミガミとうっさく暴言を吐いてる聖剣。うん……聖剣だと思うけど、もっとおしとやかな淑女のイメージが聖剣としてはいいと思うんだけど……こんな激しいメンヘラだと勇者が知ったら、手放すかもしれないぞ。

 そんなことを考えてると、なんか腕が勝手に動いた。勝手に動いた腕のせいて、体のバランスが崩れて振った方に蹈鞴を踏んだ。

「おっとと――てっ、ちょ、待ちなさい!」

 そんなことをいっても聖剣は聞いてないみたい。甲高い笑い声を響かせながら、G-01を振り回す。どうやら相当頭にきてるみたいだね。さっさと勇者の体を取り戻したいが為に、がむしゃらになってるみたい。でも……

「ふははははは! 武器に振り回されてるぞ!!」

 G-01と勇者の体では大きさにかなりの違いがある。こっちが大きいから、向こうにとっては脅威ではあるだろう。けど、相手が小さいと当てるのって難しいわけで……しかも勇者は素早い。棒立ちしてるわけでもなし、勇者の体のスペックを引き出して、黒くなった勇者は動いてる。しかも向こうには聖剣の声は聞こえてないから、何か私が武器に振り回されてるように見えてるっぽい……屈辱だよ。

「いった……」

 聖剣が勝手に動いた後に合わせて攻撃を入れてくるようになってしまってるんだけど……これは不味い。下手に聖剣を握ってるせいで反撃が出来ない。
 黒い勇者は隙が大きくなったこっちに的確に攻撃をしてくる。腕が一本になってるが、動きは逆に速くなってるしね。やっぱりこの聖剣……疫病神……というか呪いの武器なのでは? 聖剣って名称返上した方が良いんじゃないの? さっきまでめっちゃ優勢だったのに、今や一方的にこっちがボコられてるよ。

 そんなにダメージはないが……けどだからってあまりゆっくりやってるとね……もしかしたら勇者の精神まで侵食されるかもしれない。そうなるともう元に戻るって事が出来なくなるかも……

『一度放してみては?』
「そうだね――って、放れない!?」

 なんかG-01の右手を開くことが出来ない。ちょっとーー! 本格的に呪いの装備になってるわよこれ!! 

「どういう……ってなんかめっちゃ五月蠅いし……」

 右手がなんか赤く表示されてる? 更にこっちの命令を受け付けないって言うエラーメッセージが流れてるし……もうあれ絶対に呪いの武器だよ。てかまさかG-01を逆浸食してくるとは……とんでもないね。

「くっ! いい加減にしなさい!!」

 私はそう言って今までよりも強めにG-01の体を制御する。すると勝手に動こうとする腕と、それを止めようとする私の命令がバッティングして更にぎこちない動きになる。そしてそんな隙を真っ黒になった勇者が見逃すはずもない。

 ここが攻め時だと思ったのか、真っ黒な勇者がその身に力をたぎらせてる。そして一瞬その姿を見失ったと思ったら、G-01のカメラが揺れた。どうやら顔面を攻撃されたみたい。
 反撃したいけど、勝手に動こうとする聖剣のせいで上手く反撃出来なくて、一方的に攻撃をもらい続けることになる。

「あああ! もううざったい!!」

 私はキレた。

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