転生したらロボットの中だった(ただし、出る事はできません)

ファーストなサイコロ

運命という世界線を壊せ 346

「祈りに応える神などいるか?」
「いましたよ。少なくともあのときの人類、50億の願いとともにこの世界の神がやってきました」

 50億? 昔は世界はもっと広かったのだろうか? 一応砂漠の範囲全てに人がいたとしても、私がG-01で観測した範囲だと、50億なんていたらひしめき合ってると思うんだが? まあもしかしたら、すでに結構砂が積み重なってるから、範囲がどんどん狭まってるのかもしれない。
 基本どんどんと積み重ねていくと、先端に行くほど細く鋭くなっていくからね。そう考えれば、昔はもっと土地があったと考えることも出来る。

「神の姿を見たのか?」
「いいえ、ですが神は答えくれました。『我が愛しき子らよ、世界の発展と進化を我は嬉しく思う』――と」
「なるほど……」

 そう言って魔王は考え込む。私はAIにどう思う? ときいた。

『そうですね。何ともいえませんが、上位の存在なのは確かでしょう』
「G-01も神的な物達が作り出した物なの?」
『それは禁則事項です』

 私のどさくさに紛れた質問もAIに一蹴されてしまった。ちぇっ、ちょっとくらい答えてくれても良いじゃん。でも神かまではわからないがかなり凄い奴がG-01を作ったのはわかる。だってG-01の汎用性の高さはどう考えてもそういう存在じゃないと無理だよね? 
 まあけどそれに私が乗ってるって言うのがよくわかんないけど……

『ですが、G-01をもっと知っていければ、その答えは自ずとわかるかもしれません』
「何その意味深な発言は? まさかこの機体の中に私へのメッセージとか?」
『どうでしょうか』

 むむむ……それは俄然やる気が……別に出ないな。そこまで知りたいかって言うと、別にそうでもないって言うか? まあG-01から脱出できる情報があるんなら、検討するけどね。

「それで嬉しく思ってると言った神が何故に世界をこんなことにしたんだ? 言葉だけなら、こんなことをしようもないが?」

 それはまさに魔王の言うとおりだね。今の世界の現状と、ヘメ・レペスと呼ばれてる彼の言ってる過去とのつながりが難しい。矛盾じゃん? だって神様が喜んでたんだよね? それならさらに発展しそうな物じゃん。それなのに今のこの世界はどう考えても瀬戸際である。退化してる。人口だってかつては50億が本当だとしたら、何十分……いや何百、何千分の一になってるか。
 絶対的に天変地異があったよね? そしてそれは神という存在にしか出来ないじゃん。人が人通しで争ってないというのなら、それしか考えられない。けど今のところ、その神もそんなひどいことをするかって感じなんだよね? 
 この世界の現状の謎は深まるばかりだ。

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