転生したらロボットの中だった(ただし、出る事はできません)
運命という世界線を壊せ 228
ハサミを見る。俺はそれに集中してた。なにせわざわざ大層なことを言って取り出したハサミだ。ペニーニャイアン的にはこのハサミきっと切り札的なものだろう。だから油断はできない。なにせ俺のこの聖剣だって単体でとてつもない力を秘めてる武器だ。これは俺の世界の最強の武器に位置するものだが、このハサミがこの世界での最強武器かもしれない可能性はある。まあ見た感じ、何やら禍々しい感じはするが、その内包されてるエネルギーはそこまででもない気はする。でもその時だった。
ジョキン
という音が聞こえた気がした。そして凝視してた目に対して何やらエネルギーのぶつかりが起きたかのような……するとまたまジョキンという音が聞こえてくる。でもそれは耳に聞こえる感じではない。頭に直接聞こえるような……そんな音。そして今度は頬の部分にエネルギーのぶつかりを感じた。
まあ結局、俺の体には傷はない……だが、それは多分俺の方が強靭のなエネルギーを纏ってるからたと思う。--ということはだ、もしも俺以外にこの音が聞こえたものがいたとしたら……
「ぐああああああああ!!?」
造像してたことが起こったみたいだ。いきなり体から血が出て倒れるやつが出た。俺はハサミに意識を向けつつも,倒れた賞金稼ぎの一人に近寄る。
「どうしました?」
「頭に……頭にハサミの音が聞こえたと思ったらこれだ……」
やっぱり、あの音が聞こえると攻撃が入るらしい。どういう原理かはさっぱりだが、とにかくなかなかに強力だ。いや、凶悪か? 取り敢えずあのハサミを見ないようにみんなに指示を--
「うああああああああ!?」「きゃああああああああ!?」
なんと次々と体の一部分に傷を負って倒れるものが続出してしまう。やばいぞこれは……頭でなるからどれを対象にしてるかわからないし、事前に防ぎようがない。でも外部からの攻撃なら、一応彼らには俺の障壁を張ってるはず。実際俺だってエネルギーは関知してる。だから外部から何かされてるのは確実だ。
でも俺は無事だ。単純に出力違いか? やっぱり他人に付与したものは出力が低下してしまう。それは仕方ないんだが……
「い……痛いです。勇者様……」
ローワイヤさんは痛みには弱そうだよね。てか、彼女は傷ついたことなんてほぼないんだろうし、いきなり大きな傷とか血とかきっと耐性がない。それに対して、他の人たちはまだ大丈夫そうだ。なにせこんな殺伐とした世界だ。血だって見慣れてるだろうし、怪我だってよくするだろう。
とにかくめっちゃ動揺してるローワイヤさんをまずは--
(これは……)
俺はローワイヤさんの腕を見て考える。それはかなり歪な傷だったからだ。なにせ刃物で切ったような傷じゃない。まるで無理矢理裂いたかのような……
「ぐああああああ!?」「ぎゃあああああ!?」
むむむ……しれっと出力を上げて、結界のようにしてたんだが……それでも攻撃が通ってきてる。これは、もしかしたら外的攻撃じゃないかも知れないぞ。
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