転生したらロボットの中だった(ただし、出る事はできません)

ファーストなサイコロ

運命という世界線を壊せ 165

「さて、どうするんですか?」

 とりあえずフェアの所から俺とラパンさんは出てきた。いつまでも彼女の側に居ることはできない。色々と世界は動き出してるみたいだからな。ラパンさんはさぞ大変だろう。そして俺も色々と考えないといけないような気がしてる。なにせ魔王もそして……ジゼロワン殿も好き勝手にやってる。特にジゼロワン殿なんて魔王の奴よりも実は自由奔放だと最近わかってきた。なにせ問題を持ってくるのは、魔王よりも圧倒的に多い。ジゼロワン殿が動くと何か大きな事が起きてる様な……そんな気さえする。

 前後がどうとか、そんなことはどうでも良い事だ。だが、ジゼロワン殿というし超常の存在は知らずに周囲に影響を与える物なのかもしれない。そう思うと、俺達は常に後手後手に回ってる気がする。それに同じ場所に居てどうするのかと……俺達はジゼロワン殿から力を与えられた。そして他の世界で、新しく生まれ変わった。だがそれでも奢らずに、慎重にやってきたが、それだけではこの変化に追い行かれる様な気がしてる。それにウズウズしてないと言えば嘘になるしな。

 魔王もジゼロワン殿も好き勝手に暴れてるのに、俺だけはそこまでだ。ジャルバジャルを奪還するときも、俺はサポートに徹したからな。はっきり言ってもっと思いっきりこの力を試したいと思ってる。それには今の環境では無理だろう。

「とりあえず、色々と調べて見ないといけないですね。時間は掛かるでしょうけど、そうするしか……アインラザードが落ち、そしてズンジャイサンバまでも崩壊してしまうとなったら……かなり不味い。それはなんとしても防がないとダメだ。だが……中央がどう動くかはわからないんですよ勇者様」

 そう言ってラパンさんは頭を抱える。色々と話しを聞いてる限り、中央は相当腐ってるみたいだからな。よくわかる。権力を持った奴がはびこると腐っていくものだ。俺が生まれた世界でもよくあった。

「自分にちょっと提案があるんですけど……」
「なんですか? 勇者様の言葉なら、優先的に聞きましょう」

 ラパンさんの信頼はかなり勝ち取れてるな。こういうのは大切だ。彼はかなりまともな統治者だしな。珍しいと言ってもいい。そんな人が納めてる街にまずこれたのは大きい。信頼できる場所というのは大切だ。

「自分が中央に行く許可を貰えませんか?」
「勇者様自身が動くと? 確かに貴方なら大抵の事は大丈夫だと思いますが……ですが、中央につながりの様な物皆無でしょう」
「そうですね。だから彼女を連れて行きます。ジゼ……いや俺達のG-01が助けた協会の彼女です」
「なるほど……あの方を献上品に恩を売ると……そう言う訳ですね」

 言い方……と言いたいがまあ大体そんな感じだ。だから野暮なことは言わないことにする。彼女は既にほぼ完治してる。動いても大丈夫だろう。

「確かに我々には彼女は非協力的でも、勇者様にはとても友好的なようですからねあの方は」

 さっきから思ってたけど、なんか「あの方」っていう言い方をラパンさんはしてる。もしかしてそれなりに地位が高いのかやっぱり? 

「えっと、彼女って何者なんですか?」

 自分は協会関係者としか知らない。

「あの方は『ローワイヤ・ヤンナヤイナ』様。協会が有する神託の巫女の一人です」

 うん、なんだそれ。

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