転生したらロボットの中だった(ただし、出る事はできません)

ファーストなサイコロ

運命という世界線を壊せ 128

 そういえば、気になる事を言ってる奴が一人居たな。私は体育座りしながら……まあG-01がそうして微動打にしないから、私が聞いてるなんて彼等はきっと夢にも思ってないだろう。そもそも部屋の中に居るから見えてないだろうしね。向こうからは。私にはそれなりに見えるけどね。音声だってバッチリだ。

「都市核の力」

 とね。ネナンちゃんの力は都市核の力ではない。でもそいつはそういった。直ぐに訂正してたけど、それって、普通は都市核の力の余剰分でその聖物って奴を作ってるって事ではないだろうか? ならそもそもがそのそのアクセサリーとかが聖物になってるような? だって私はジャルバジャルの都市核の力でそのアクセサリーを変質させた訳だし。
 まあ沢山力を溜められる以外の機能なんてないんだけどね。でもそれがその聖物の機能といえなくもない。でも彼等は気付いてないね。私がやったから、別の力だと思ってるんだろう。でも今の話しが本当なら、G-01と同じような事を協会の奴等はできる? 力から物体を生み出すってことが。

『いいのですか?』
「うーん、でも別に溜めた力をどうしようと勝手じゃない? 別にネナンちゃんから無理矢理力を吸い取る訳じゃないからね」

 そうなんだよね。あれの所有権はあくまでラパンさん達にあると思う。なら、それをどうしようが勝手だ。確かに私はあのアクセサリーを変質させたけど、それをどうするか……っていう契約をかわした訳じゃない。私はただ、ネナンちゃんが力に押し潰されなくなるのではあればそれでいい。

 だからまあいいよ。でも、何回もやんないけどね。中の力を取り出して出来るのならいいけど、そうじゃなかったら、何かに使う度にあのアクセサリーは壊れちゃうかもしれない。アズバインバカラは大きな街で財政とかは潤ってそうだから幾らでもアクセサリーを用意できるかも知れないけど、何回ももってきてこれもお願いします――って言うのは受け付ける気は無い。
 流石にそんな事になったら怒っちゃうよね。私は協力するのはいいよ。ネナンちゃんは可愛いし。でもおっさんに使われるのはヤなんだ。私はおっさんの為にそんな事をしてる訳ではない。可愛い女の子のためにやってるのだ。

 ビービー

 内部に響くそんな音は、多分見知らぬ訪問者を告げる音だ。私は体育座りしててもアズバインバカラとジャルバジャルの色んな事を把握できる。そしてその周辺の情報もね。どっちかが砂獣に襲われそう? でもこの音はそこまで緊迫した物じゃない。とりあえず反応した場所の映像を受け取る。そしてモニターに映す。すると何やら見た目ラクダだけど、頭が二つある生き物にのった人が近付いてきてた。でもその人は、アズバインバカラの手前でラクダから落ちた。

 まずいね。これじゃあアズバインバカラの見張りの人も気付かないよ? 運良く、街の外で活動してる賞金稼ぎの人達が見つけたら良いけど……残念ながら周辺には誰も居ない。別にあんなの放っておいても良いんだけど……見つけたからにはこのままだと後味が悪い。私は体育座りを解除して立ち上がって飛び上がった。

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