転生したらロボットの中だった(ただし、出る事はできません)

ファーストなサイコロ

運命という世界線を壊せ 107

 ジャルバジャルの全容を私は初めてみた。アズバインバカラよりは小さいが、なんか特徴的な建物かいくつかある。どうやら砂からでてた一部もそんな特徴的な建物だったみたいだ。まあG-01の性能なら、その気になれば砂の中にあっても姿を認識するくらいは出来るんだけどね。それこそ超音波とかで? 原理はよくわからない。

「よし、貴様等さっさと運べ!」
『なんで魔王が現場監督みたいな事をやってる?』
「何故なら、我が最強だからだ」
『ああ……うんわかった』

 こいつがバカだって事がね。いや、こいつ頭の回転は速いんだけどね。憶えなきゃいけない事は速攻で憶えるし、一度見た物は忘れないし、それになんか理解が早い。新しい存在というか体を得たことで色々と不安定な筈だけど、こいつは自身に起こった変化を恐れるとかじゃなく、歓喜してたし、そして自身の解明に乗り出してるよ。自身を知ることで、更に強くなる事を望んでるし、実行しようとしてる。

「勇者の奴はどうした? サボりか?」
『サンクチュアリの子を見守って貰ってる』
「何だと!?」

 ちょっといきなり大きな声出さないでよね。周りの人達もびっくりしてるじゃん。

「サンクチュアリ保持者が見つかったのか?」
『見つかったというより、現れたというか、出現した? 感じか』

 私はそう言ってとりあえずネナンちゃんの事を教えてあげる。すると魔王が頭の中でその映像を見ながら――

「面白い」

 ――とかいう。幼女を見てニヤリと笑う魔王という凶悪な存在。不味いね。ネナンちゃん変な奴に目をつけられたよ。きっとこいつ、ネナンちゃんと戦いたいとか思ってるんだろうな。やらせないけどね。流石にそれはダメだよ。まあけど、魔王はしばらくはジャルバジャルにいさせるつもりだし、ネナンちゃんをこっちにやるなんて事は多分ラパンさんも反対するだろうから、二人が会うことはしばらく無いと思う。

 とりあえず物資も人的資源も運んで来たし、これでしばらくやってくれるだろう。街の運営の為にラパンさんの息子の他にも偉い奴をつれてきた。やっぱりこの街を再び住めるようにしなきゃだからね。ラパンさんの息子だけでは役不足みたいな。そいつ私が物資を運んだきたってのに全然姿見せないからね。連れてきた偉い人も「仕方ありませんな」とかいってた。

 まあ私も興味は無いし、やる事はやったから帰るかな? とか思ったけど、その時何やら離れた所からうめき声みたいな物が聞こえた。

『今の声……何?』
「聞こえたか? アレはお前等がいう領主の息子の声だな」

 なんか普通に魔王がそういった。え? 何? サボってる訳じゃないの? なんか興味出てきたから、ジャルバジャルで一番立派な建物へと足を進めた。

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