転生したらロボットの中だった(ただし、出る事はできません)

ファーストなサイコロ

運命という世界線を壊せ 78

「「「わーわー!!」」」

 そんな五月蠅くしながら、子供達は必死に街中を駆け回ってる。結界の外に出たことで、子供達の行動範囲が制限される事が無くなったが、それでも何やら、上手くあの変な格好の奴らは遭遇してくる。なんか振り子みたいなのを指から垂らしてたのが逃げてるときに見えたが……あれで子供達、いやネナンちゃんの位置でもさぐってるのかもしれない。でもそれでもこっちも人通りが多いところを選んで進んでる。なるべく遭遇する時はそういう風にしてるのだ。

 なにせ人目があれば、流石に派手な魔法は使えないだろうし、子供達にバイオレンスな事だってやりにくい筈だ。奴らが善人を演じてる間は……だけど。ネナンちゃんも気がついて、人々の間をすり抜ける子供達。そして路地に入って子供しか通れないような穴を通ったりしてる。でもそれでも、あの変な格好の奴らには遭遇する。しかも何度もだ。

「流石におかしくない?」

 私はそんな違和感を感じてた。はっきり言って既に撒いてておかしくないと思う。それだけ子供達の逃走劇はなめらかで慣れてる。普段からこの街を遊び場にしてるだけ有って、まず足が止まることがない。大人の方が歩幅があるっていっても、これだけ動き回って、しかも曲がり角も多い街中だ。片手で数える位しかいなかった変な格好の奴らからは毛とっくに逃れててもおかしくない。

 おかしくないのに……奴らは現れる。魔法的な何かで追ってる説はあるけど……それにしても……だ。奴らもこの街に精通してるのだろうか? でも今まで見たことない。まああんな変な奴ら検索してないからかもしてないけど。

「ちょっと今まで奴らに遭遇した場所をポイントで表示してみよっかな」

 私は憶えてないが、システムには残ってる。それを抽出して、3Dマップに投影だ! すると赤い点でその場所が表される。ちかい場所あるけど、色んな場所で遭遇してる。一人が結界にとらわれてて、四人は私の所でG-01を拘束してる。更に一人は私の攻撃で離脱してる。それに一人付き合ってるから、子供達を追ってるのは、それこそ今は四人くらいだ。

「瞬間移動でもしてる?」

 そう考えないと、この遭遇率はおかしい。でも流石に……ね。瞬間移動なんてG-01だって出来ないよ。ならもっと現実的に考えよう。

「ポニ子、視覚伸ばせない?」
「ポニ!」

 私の声に応えてくれたポニ子は腕を長ーく空へと伸ばす。そしてそこから視覚が飛んで来た。おおー器用な事が出来るやつだ。モニターに映った上空の視界。それで見ると、一目瞭然。G-01が示した同じ格好の怪しい集団……それが二十人くらいはいた。おいおいどっから湧いてきたの?

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