転生したらロボットの中だった(ただし、出る事はできません)

ファーストなサイコロ

運命という世界線を壊せ 61

「さて、そろそろ役目を果たす時だな」

 そんな事を言いだしたのは、こんな所までついてきて、一番何もして無い足手まとい事、どら息子である。一夜が明けて、それなりに皆が回復してきた。なにせ俺と魔王がそれなりに回復を施したからな。この世界の魔法は限定的だ。血浄とかは魔法的だが……細部はきっと違うんだろう。それに後はテントとかでしか魔法はみたことない。だからこそ、俺達の回復魔法は劇的だっただろう。
 起きたときに皆が「体が軽い!!」「若返ったみたいだ!!」とか言ってた。そうだろう、そうだろう。確かにこの世界の人々の体は頑丈だ。だが、疲れがたまらないわけじゃないし、この世界は過酷だ。その蓄積を俺と魔王の力で取り除いたんだからな。悪いところはほぼなくなったと言ってもいい。当然、起きたら生まれた時のように軽々としてることだろう。皆が元気になったところでのどら息子のこの発言。

 昨晩は女性達と良い事出来なかったから、イライラしてるのかも知れない。それとも部下達に対する嫌がらせでもするのか? 

「役目とは何だ?」

 魔王がどら息子にそう聞いた。まあここは魔王が相手にするのが良いだろう。なにせどら息子は魔王には頭上がらないからな。舎弟みたいな感じになってるし。

「それはこれですよ魔王様」

 そういってどら息子がみせたのは都市核だ。それを見た魔王が激怒する。

『貴様、それに触れるなといったよな?」

 魔王の眼力にどら息子が震え上がる。そして伸びる腕に胸ぐらを捕まれて持ち上げられた。バタバタとするどら息子。でも奴はなんとか声を絞り出す。

「ちっ違います魔王様! こっこれが……これを自分が起動させないといけないのです!!」
「何?」

 まさか、どら息子にそんな役目が? ただ手柄目的でついて着たのだと思ってたが……なんかちゃんと目的というか、役割があったらしい。てかそれならそうと言っておいて欲しいよな。そんな重要な任務があるのなら、一応こいつも守らねばならなかったじゃないか。知らなかったから、砂獣にこいつが襲われても助ける気なかったぞ。まあ実際こいつは前線に出るとこはないから、大丈夫だとは思ってたがな。

「どういう事か説明しろ」
「は、はい!」

 魔王の腕から解放されたどら息子が都市核の事を話してくれる。どうやら、領主の地位にいる人達には都市核へとアクセス術が伝えられているらしい。でも一つの都市核には一人の領主的な人しかアクセス出来ないらしい。アズバインバカラの都市核に既にアクセスをしてるバジュール・ラパンさんがここに来なかったのはそう言うことか。そしてこんな息子を寄こしたのはそれだけその権限というか? 方法が貴重だからだろう。でもそれでもこいつにがジャルバジャルの都市核にアクセスして良いのかは不安でしかない。でもそれをしないといけないらしいからな。俺達がそれを拒否しても意味は無いだろう。

「良かろう、認めてやる」

 そんな魔王の許しも降りたから、どら息子が都市核へのアクセスをする事に成った。

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