転生したらロボットの中だった(ただし、出る事はできません)

ファーストなサイコロ

運命という世界線を壊せ 44

 魔王がただただ一人で進んでいく。まああいつは心配いない。今の敵の強さなら……だ。だから俺は言質の人達のサポートに回ってる。魔王が積極的に動いてるんだから、俺まで積極的に動くと、彼等のやる事が無くなってしまう。だから俺は自信の力をセーブしてる。一応彼等の事は俺の力で強化した。強化したが、全然足りないみたいだ。一応血浄とかいうのよりぶー祖とされてるはずだが……それよりも砂獣の強化率の方が強い。

「なんて堅さだ!!」
「攻撃が全然通らないぞ!!」
「あの野郎は一撃で倒してるってのに!!」

 魔王とくらべたらいかんと思う。けどこのままじゃ、魔王が凄くて俺がしょぼいみたいにならないだろうか? もしかしたら魔王が強化すればもっと強くなれるのでは? とか思われてもおかしくない。事実、強化の力を強めることは出来る。出来るが……

(体への負担がな……)

 そこらへんが心配だ。大きな力にはリスクが伴う。そう言う物だ。それから逃れる術はない。なにせ大きな力が何の代償も無しに行使できたら、それこそ世界のバランスって奴がね。崩壊してしまうだろう。そして世界には強さにばらつきがある。それぞれの世界によって強さの基準っていうのだろうか? そう言う物だ。俺や魔王ジゼロワン殿はその基準を大いに超えてる。それは俺達がこの世界の外から来たから。だからこの世界のルールに俺達は縛られてない。

 そしてそんな俺達だからこそ、この世界ではあり得ないくらいの力を授けることは正直出来る。この世界の血浄も自身の能力を大きくアップする物らしいが、けどそれにもきっと限界はある。それは背感によって定められた範囲内での強化しかないって事だ。だから単純に俺からの強化で既に血浄を超えてるわけだが……

(砂獣のバランスが狂ってるんじゃないか?)

 今まではなんとか倒せてたらしいし、大群でもなんとかカンバレば耐えられたし、追い返すことも出来たという話しだった。だが今回は血浄異常のブーストをしてるというのに、相手にっなってない。要所要所で俺がカバーに入って、犠牲者を出さないようにしてるから瓦解してないが、力の差がありすぎる。明らかにこれまでのこの世界に出てきてた砂獣じゃない。やっぱり世界の意思って奴が、俺や魔王……そしてジゼロワン殿を勘定に入れて砂獣を強化してるとしか思えない。

(このままだと不味いな)

 ここはまだどうにか出来るだろう。だが……このままだと不味い。もしもこの砂獣共が世界の基準にまで引き上がるとするなら……アズバインバカラだけではない。ほかの街とかも危ない。というか生き残る事なんかできないぞ。

「皆、砂獣は強化されてる。今の皆じゃ勝ち目がない。だが強化自体はまだ出来る。耐えられるか?」

 俺はそう皆に聞く。この世界に生きてるのは彼等だ。俺は彼等の選択を尊重しよう。だが答えは分かってる。皆はその予想通りにさらなる力を求めた。力を授ける事は出来る。どうなるかわかないが……だが、それでもこの世界の人達の限界って奴を俺は個々で見極めるつもりだ。

「転生したらロボットの中だった(ただし、出る事はできません)」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く