転生したらロボットの中だった(ただし、出る事はできません)

ファーストなサイコロ

盤上の迷宮航路へご招待 25

 私はG-01のエネルギーをこの船へと生き渡らせることで船の外観というか、生活空間というか……そんな見た目にわかる部分ではなく、その内部、構造部に生き渡らせる。

 実際は色々と内部のパーツも断絶してたりしてたりする部分はあるようだ。

「むむむ」

 私はG-01のエネルギーを少しずつ指のパーツを使って流す。すると不思議な感覚が起こってくる。私は確かにコクピットにいる。けど――


「ここは……」

 なんか気づくと白い空間にいた。それに私もかなり破廉恥な格好してる。まあ格好というか? 裸だけど。でも手先や足先……というか心臓やら頭から遠くなるほど不安定になってる? 一部分、体の中心に近いのにあいまいな部分もある。それは敏感な部分である。なんかそこら辺は手先足先と同じように、なんかかすれてる。

 てか……

「歩け……つっ!?」

カクンと膝が折れた。なんか感動して歩こうとしたら、一歩進んだだけで膝が折れてその場にペタンとなってた。なんか足がしびれてる。どうやら私は歩けないようだ。せっかくここなら自由に歩けると思ったんだけどな……
 まあいつも私は水に浮いてるからね。脚の筋力がなくてもおかしくはない。けど別にガッリガリというわけじゃない。ぜんぜん歩いてないんだから、マッチ棒みたいな脚だと思うかもしれないが、私の脚は自分でもいうのもなんだけど美脚だと思う。太ももはそこそこでそこから伸びるスラっとした脚、ふくらはぎが適度にふくらんでて、そしてそこからキュッと絞られる足首。勿論足もとってもきれいだ。
 使ってないからね。あと真っ白。私は日の光にも当たったことはない。それは白いのも当然だろう。

「どうしたら……」

 なんとなく私はここがどこだかわかってる。だからあんまり焦ってはない。ふわりと流れる空気……というかそんな風を感じた。実際は風じゃなく、これはG-01のエネルギーだ。その流れ。

「さっさと進めって事ね」

 私はエネルギーを感じる。そして進むように意識した。すると前に進んだ。どうやら私はこの場所では足を使う必要なんてないみたいだ。自然とエネルギーが進むのを意識するとこの場所の私も進む。
 そう、つまりは私はこの船の内部部品に生き渡るエネルギーの具現化。それをきっと今私は自分自身として投影してるんだ。

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