転生したらロボットの中だった(ただし、出る事はできません)

ファーストなサイコロ

盤上の迷宮航路へご招待 6

 攻撃が始まった。個体を集団にして、それを部隊として運用してくる謎の生命体? 一応奴らをG-01のデータベースで検索してみたけど、その記録はなかった。同じような形の生命体はあったんだけど、それは特定の世界で見れて、それも体長50センチくらいの個体である。

 でも今目の前にいるのはG-01をも絞め殺せそうな巨大な個体だ。全てがそうじゃないけど、小さいのでも人間サイズならしめ殺せるくらいの大きさはしてる。
 そんな奴らがその体を駆使して攻めてくる。

『こいつら……』

 G-01のナイフを出して、攻めてくる奴らを迎え撃つかまえを取る。けどいきなり私の視界がずれた。なんと下からちっさい奴が細くした触手をG-01へと絡めていきなり引っ張ったらしい。しまったな、ある程度全方位警戒してたけど、私の意識はついついモニターに映ってる方へと割いてしまう。
 それを奴らが理解してる……とは思えないが、死角を突くってのは戦術として当然なんだろう。でもそれって……奴らの本能なのか? けど明らかに訓練されたように部隊を編成して、そしてそれを運用してるのを見るに、本能というよりも学習だ。

 とりあえず私はG-01の顔の部分についてた銃弾を発射する。最初期からついてた装備だけど、これももちろんアップグレードしてる。そもそもここの武器はそこまで殺傷力を求めてるものじゃなくて、あくまでもサブだった。
 もちろん小さい生命体には有効的だけどね。でも今やいくつか弾も選べるようになってる。とりあえず少しでも殺傷力を上げるために炸裂弾にして、私はG-01の足を絡めてる触手を討つ。そして脱出。けど次の瞬間――ガン! ガガン!! ――とわき腹や背中に走る衝撃にG-01の体が流れる。そして振り返ったら今度はそれを狙ったかのようなタイミングで触手のパンチをもろにくらった。

「ああーもう! 鬱陶しい!!」

 そこまでのダメージにはなってない。けど……でも地味にダメージは蓄積してる。それに私の戦闘経験の無さというか? 格闘センスの無さを突かれてる気がする。
 だって私はこうなる前では喧嘩なんてしたこともなかった。G-01のパイロットになってからもこんな複雑な戦いなんて……ね。大体は圧勝するかとかだったし、技術というよりもG-01のありがたい機能でどうにかなってきたのだ。

 私の操縦技術なんて……ね。フルシンクロして、この脳にインストールしてるあまたの格闘技術をトレースしたらどうにかなるとは思う。けどフルシンクロはリスクもあるからね。
 私はどっかのモビルスーツ乗りのように種を割ったり、直観が優れてる感覚なんて一切なんだよね。まああれよりもきっと操るのは簡単になってる……と思うけど。

「でもG-01でこれなら他がやばいよね」

 だってG-01の性能は突出してる。それなのにこれである。一応ミレナパウスさんは機体にへばりついてるから守れてるが、勇者やアイ、それにポニ子が心配だ。

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